勧誘と特別待遇
反董卓連合編の最終話です
悪魔ベルゼバブに操られた恋と霞を第四の個人魔術『魔導剣聖』で救い、気を失った一刀
やがて一刀が目を覚ますと霞が連合軍に降伏し、捕虜となり、恋はエリスを連れて董卓軍拠点に戻った。
だが董卓軍拠点を前に連合軍が何もしないわけがなく、攻めるなら今が好機と思うなか、一刀がとっさに閃いた作り話をして董卓軍は消えたことにしようとするも当然ながら話が無茶苦茶すぎて信じられない。
その時!一刀は最後の手段として麗羽が連合軍に隠している情報(この戦い自体が自分の評価を上げるためだけのこと)を暴露しようとした際、バラされたくない麗羽は一刀の言葉を真実だと思うのだった。
そして
麗羽「というわけで董卓軍は張遼を残して全員が消えましたわ 」
天幕に皆を集め、一刀がした作り話を説明する麗羽だが
ほぼ全員『は? 』
天幕に集められたほぼ全員が『こいつ、何を言ってるんだ?』と思うなか
桃香「消えちゃったんですか!?それはすごいですね!? 」
桃香だけは話を信じていた。
美羽「七乃、麗羽姉様は何を言っておるのじゃ?人が急に消えるだなんてあり得るわけがないのにのぅ 」
七乃「さすがお嬢様、お馬鹿だと思っていましたがそれくらいの知識は持っていたんですね♪ 」
美羽「わははっ!もっと褒めてたもう♪ 」
褒めていない。むしろ馬鹿にしているのだがお馬鹿な美羽はその事に気づいていなかった。
もちろん麗羽とて信じたくないのだが一刀に弱味を握られているため信じなければいかなかった。
すると
麗羽「美羽さん、ちょっとこちらにいらっしゃい 」
美羽「何なのじゃ? 」
美羽は麗羽に近づくと
麗羽「信じないと呂布が怖くてお漏らししたことを皆に伝えますわよ 」
と、麗羽が美羽にひそひそ話をした瞬間
美羽「た…確かに麗羽姉様の言う通り、董卓軍は消えてしまったのじゃ!? 」
急に話を信じる美羽であった。
ちなみに美羽がお漏らし癖があることはこの連合にいる数割が知っているのだが、お馬鹿な美羽はその事に気づいていなかった。
白蓮「あのなぁ麗羽、そんな話が信じられるわけ… 」
今度は白蓮が口を挟んだが
麗羽「とにかく!董卓がいなくなった以上、連合軍は解散いたしますわ!! 」
白蓮「無視するなぁーっ!! 」
白蓮を空気扱いして無視し、連合軍解散を宣言する麗羽であった。
ちなみに霞の件に関しては捕らえた曹操(華琳)軍が引き取ることになったという
それから少しして
華琳「(一刀ったら、絶対麗羽の弱味を握ってるわね) 」
と思いながらも華琳的にこれ以上麗羽の近くにはいたくなかったため深く追求はしなかった。
一刀「さぁ陳留に帰ろうぜ 」
そして、いざ陳留に向けて歩こうとしたその時
麗羽「そこの男、待ちなさい!! 」
バァンッ!!
麗羽に呼び止められる一刀であったが
一刀「出発っ!! 」
とりあえず無視した。
麗羽「お待ちなさい!!何ですのその『あいつ、誰に話しかけたんだ?』的な反応は!あなたしかいないでしょう!! 」
そこまで深く言われては一刀とて無視を続けるわけにはいかなかった。
一刀「何だよスーパードリル? 」
面倒だがとりあえず麗羽の話を聞いてみると
麗羽「あなた、曹操さんの軍をやめて我が軍に入りなさいな! 」
一刀「は? 」
何と!?麗羽は一刀を自軍へ勧誘してきたのだ。
麗羽「うちはケチな曹操さんのところとは違って給金は今の二倍、いや十倍出しますわ!!それと週休三日な特別待遇ですわよ 」
麗羽的に自身の弱味を握る一刀を放っておけないため必死であった。
斗詩「給金十倍だなんてそんな無茶な!? 」
猪々子「ただでさえうちは麗羽様の無駄遣いで赤字寸前なんですよ!? 」
真直「あぁ、また頭が…!? 」
麗羽の無茶ぶりに頭を悩ませる部下達
華琳「(まさかとは思うけど…) 」
給金十倍で週休三日という待遇に一刀が反応しないわけがなく、まさかとは思うが一刀が麗羽のもとへ向かうのかと思う華琳
すると
一刀「やなこった♪ 」
べーっ!!
麗羽「なっ!? 」
麗羽にアッカンベーをしながら断る一刀
その理由については
一刀「いくら給金や休みがよくてもお前みたいな性格悪くてデュラハンになってほしい女ナンバーワンな奴に仕えたくないんだよ♪ 」
麗羽「でゅ…でゅらはん?なんばわん? 」
つまり首なしになってくださいという意味である。
一刀「とにかくあばよスーパードリル! 」
スッ!
そう言いながら麗羽から去る一刀
一方麗羽は
麗羽「??? 」
斗詩「麗羽様、しっかりしてください!? 」
猪々子「ダメだこりゃ!?頭の中が壊れたようだ 」
知らない言葉を繰り出しまくる一刀にお馬鹿な麗羽の頭が壊れてしまったのだった。
ちなみにこの時
華琳「(何故なの?何故私はホッとしたの!?) 」
一刀が自軍を出なかったことに安心する自分を不思議がる華琳がいた。
そして一刀が華琳達のところに戻ると
霞「偉い!! 」
バッチィーンッ!!
一刀「いてっ!? 」
いきなり霞に背中を叩かれた。
すると
霞「あんな好条件やったのに曹操から離れなかったなんて見直したで!決めた!ウチはこれより曹操軍に入らせてもらうで 」
何と!?霞が正式に曹操軍に入ると宣言したのだった。
一刀「いいのか?董卓ちゃん達のところに戻らなくて(小声) 」
一刀が皆に聞こえぬよう小声で会話すると
霞「ホンマ言うとこっそり抜け出そとおもっとったんやけど気が変わったんや、まぁ、あっちにはエリスや恋もおるし、しばらくは大丈夫やろしな(小声) 」
同じく小声で会話する霞であった。
華琳「(二人して何をこそこそ話してるのかしら?) 」
次話より日常的な話になります




