拠点4とトリック・オア・トリート
今回も時期が重なったため季節ネタです
なお、季節ネタを考えることに時間が無くなったため後書き記載の番外は今回は無しです
それはまだ一刀達が洛陽に向かう前のこと
陳留の街にある噂が流れた。
それは…
こつこつっ…
美女「んっ? 」
若い美女が夜中に人の通らない道を一人で歩いていると
ズゥンッ!!
いきなり目の前に黒服を着た男が現れ
男「(ぼそぼそっ) 」
美女「ちょっと!?あんた何を言ってるの!? 」
男はわけのわからない言葉を話すと
ギラッ!!
男の目が光り
美女「えっ!?きゃあぁーーっ!! 」
何をされたかわからないが美女は自分でも知らないうちに気を失ったのだった。
そんなことがここ数日、毎日のように続けられ
被害者である女性達は体を触られたり、熱くさせられたり、体がぬめぬめになったり、意識を失ったりと様々であり
つい昨夜も同様の被害が発生していた。
そして現在
華琳「というわけで今のところ負傷者は出ていないけど不審者が出てるのには変わらないわけだから私は直ぐ様犯人を捕らえたいわけなのよ 」
誰かに説明するように話す華琳
もちろんその誰かとは…
華琳「だから白状しなさい一刀 」
一刀「何でだよ!? 」
バァンッ!!
一刀であり、逆さに吊るされ縛られていた。
一刀「俺は無罪だ!!大体昨日の夜、俺は華琳と一緒にいたじゃないか!! 」
華琳「そういえばそうね 」
というのも昨日の夜は普段一刀が仕事をサボっているため仕事が溜まりに溜まっているため、怒った華琳が一刀に徹夜してでも仕事を終わらせるよう命じ、華琳は仕事を終えるまで一刀に付きっきりであった。
もちろん一刀が抜け出したり、華琳が催眠術をかけられたわけでもない
華琳「(被害者が美女だと聞いたから真っ先に一刀を疑ったけど数日前はともかく昨夜に犯行は無理ね)確かにそうだったわね 」
そして華琳は一刀を降ろしたのだが
一刀「ケッ!真っ先に俺を疑いやがって!そんなんだからお前は貧乳なんだよ 」
ブチンッ!!
一刀が余計な一言を言ってしまい
華琳「胸は関係ないでしょ!!それに一刀が普段から真面目にしてれば疑われずにすんだのよ!! 」
ブミュッ!!
一刀「ぐえっ!? 」
華琳に頭を踏まれる一刀であった。
そしてその後
一刀「ちくしょう華琳の奴め、いつか同じ目に遭わせてやるからな!! 」
そんなことをすれば自分が死ぬということを考えない一刀
一刀「しかし昨夜は俺が動けなかったからあいつらにやらせたわけだが、そのおかげでバレなかったぜ♪このまま密かに続けてやるぜ♪ 」
やはり何かを企んでいた一刀
そしてその後も、大男による被害が発生し、ついには
真桜「あ〜あ、何でウチらが行かなあかんねん 」
沙和「睡眠時間の減少はお肌に悪いなの〜 」
凪「二人共、真面目に警邏しろ!! 」
警邏隊まで出動した。
凪「私達は街を守る警邏隊だぞ!不審者が現れたのなら出動するのが普通だろう!! 」
真桜「せやかてなぁ 」
沙和「隊長だって来てないのに〜 」
一刀は華琳がいまだに犯人だと疑っているため、しばらくの間、牢屋に入れられていた。
凪「ならば犯人を見つけて隊長を無罪にするまでだ!待っていてください隊長! 」
一人燃える凪
すると
ボォッ!!
真桜「うわっ!?凪が燃えとるから炎まで発生したやんけ!? 」
凪「えっ?そんな馬鹿な? 」
沙和「ふ…二人共!?そ…それは!? 」
正確には炎ではなく
ボォッ!!
人魂であった。
更に
ズゥンッ!!
黒服を着た大男まで現れた。
真桜「ぎゃーっ!!ひ…人魂!? 」
沙和「ふ…不審者が出たなのーっ!? 」
互いに抱きながら叫ぶ真桜と沙和
凪「落ち着け二人共!おい貴様、一体何者だ! 」
凪が大男に向かって叫ぶと
男「とり…お…りーと!! 」
大男はわけのわからない言葉を話してきた。
凪「このっ!!ふざけるな! 」
ドォンッ!!
大男の顔目掛けて気弾を放つ凪
だが
ぶわっ!!
サッ!
大男の頭が宙に浮き、気弾を避けたのだった。
三人はそれをもろに見てしまい…
沙和「いやーっ!!怖いなのーっ!! 」
真桜「さ…沙和、一人で逃げるなや!?ウチも逃げるーっ!? 」
ダダッ!!
真桜と沙和は逃げ出してしまい
凪「あ…あわわっ!? 」
凪はあまりの驚きに腰が抜けてしまった。
そして…
凪「うわぁーっ!? 」
凪の叫び声が響き
翌朝、現場で気を失った凪が発見されたのだった。
それを知った華琳は緊急軍議を開き
華琳「とうとう我が陣営にも被害が起きたわね。今夜は全員で出動よ! 」
事件発生から8日目にしてついに華琳が動き出した。
その日の夜、気を失った凪、恐怖で参加を断った真桜と沙和、いまだに疑われている一刀以外のメンバー(華琳、春蘭、秋蘭、桂花、季衣)は行動を開始した。
華琳「見てなさいよ不審者!今日こそ引っ捕らえてやるわ!! 」
一方、華琳達が城を出た頃
一刀「そろそろフィナーレといくぜ 」
牢屋の中で何かを企む一刀であった。
そして華琳達は
華琳「出てこないわね 」
先程から街を歩いているが不審者が現れる様子がなかった。
春蘭「こらーっ不審者!!さっさと出てこぬかーっ!!私が相手をしてやるーっ!! 」
桂花「叫んだって出てくるわけないでしょ馬鹿!! 」
というより今は夜なため近所迷惑である。
季衣「ふあ〜っ、ボク、眠くなっちゃいました。もう出そうにありませんし、帰りましょう 」
秋蘭「確かにこれだけ探して見つからないのですから我々を恐れて出ないのかもしれませんね 」
華琳「どうやら無駄骨だったようね 」
諦めて城に帰ろうとする華琳達
するとその時!
ボォッ!!
華琳「ひぃっ!? 」
一行の前に人魂が現れると同時に
ズゥンッ!!
黒服を着た大男が二人現れた。
季衣「来たなぁ不審者!! 」
ブォンッ!!
大男目掛けて得物の岩打武反魔を繰り出す季衣だが
ガシィッ!!
季衣「あぁっ!? 」
季衣の攻撃は大男に受け止められた。
春蘭「まさか北郷が呼び出した召喚獣以外で季衣の攻撃を受け止めるものがいるなんて!? 」
秋蘭「んっ… 」
春蘭の台詞を聞き、何かを思う秋蘭
すると
バッ!
華琳「きゃっ!? 」
突然屋根の上に黒服を着た男が現れると
男「トリック・オア・トリート! 」
春蘭「は?『とりつくお椀釣糸』だと?何わけのわからぬ言葉を言っとるんだ貴様!! 」
男に突っ込む春蘭であったが
男「ギャシャーッ!! 」
バッ!
春蘭「うわぁっ!? 」
華琳「春蘭!? 」
男は屋根から飛び降り、春蘭に襲いかかった
だが
シュッ!
ブチンッ!!
秋蘭「フッ! 」
男「げっ!? 」
いきなり放たれた秋蘭の矢が男に結ばれていたロープを切ると
ズッシィーンッ!!
男「ぎゃんっ!? 」
男はそのまま地面に落下した。
華琳「な…何をしてるの秋蘭!? 」
秋蘭「華琳様、皆 」
スッ!
秋蘭は落ちた男に近づくと
秋蘭「これが不審者の正体です 」
バサッ!!
黒服を無理矢理剥いだ。
その男の正体は…
華琳達『(一刀・北郷・全身精液脳内乳袋男・兄ちゃん)!? 』
バァンッ!!
一刀「いててっ!? 」
やはり一刀であった。
すると
バササッ!!
二人の大男は黒服を脱ぎ捨てると
ミノタウロス「旦那、大丈夫ですか!? 」
ゴゴゴッ!?
ピギーッ!?
わんっ!!
スフィンクス「もうバレバレなのにゃ 」
一刀の召喚獣であるミノタウロス、アイアンゴーレム、スライム、ケルベロス、スフィンクス
そして…
ケロッ?
新たに登場した赤い体の大きなトカゲ・サラマンダーが現れた。(フィーネはこの時点で獲得していない)
華琳「成程ね 」
事件は全て一刀とその召喚獣の仕業と知った華琳は
華琳「どういうことか説明してもらうわよ!! 」
ぐいっ!!
一刀「ぐえっ!? 」
一刀の胸ぐらをつかみ、引っ張った。
一刀「じ…実は今は魔法世界じゃハロウィンなんだ!? 」
華琳「はろいん? 」
魔法世界のハロウィンは一般的なハロウィンと少し変わっており
この日までの一週間の間、召喚獣を自身の魔力に関係なく呼べる(戦闘は不可能)
そして普通のハロウィンと同じ様に『トリック・オア・トリート』と言ってお菓子をもらうかイタズラするのだ。
ちなみに一刀、牢屋の鍵は魔法で開けた。
一刀「だからハロウィンを…!? 」
華琳「やり過ぎでしょ!!ったく、8日前からこんなことするだなんて 」
華琳がそう言うと
一刀「んっ?ちょっと待て!俺がハロウィン開始したのは一週間前からだぞ 」
華琳「嘘おっしゃい!事件は8日前から発生して… 」
と華琳が言ったその時!
ズゥンッ!!
みんなの目の前に黒服を着た男が現れ
男「トリック・オア・トリート 」
と言うと
スゥッ!!
男の姿が忽然と消えたのだった。
華琳「か…一刀ったら、まだあんな召喚獣を呼んでたなんて!? 」
一刀「い…いや、俺が持ってる召喚リングは現在6つだぞ!? 」
じゃ…じゃあ、今のは…!?
この場にいる全員がそう考えた時
バッタァーンッ!!
全員が気を失い、目が覚めた時には何が起きたのか誰もわからなくなっていたという




