拠点2と猛暑
続きが気になる読者には悪いですが季節ネタ的な感じで拠点をやらせてもらいます
それはまだ一刀達が洛陽へ向かう前のこと
カァッ!!
大陸全土を猛暑が襲いかかった。
真桜「あぢ〜!? 」
沙和「汗だくだくで気持ち悪いなの〜!? 」
猛暑の中、警邏していた二人があまりの暑さに苦しんでいると
凪「情けないぞ二人共! 」
凪一人だけがいつもと変わらぬ様子であった。
凪「隊の見本である副隊長の我々が暑さごときで苦しがってどうする! 」
真桜「ホンマ凪は相変わらず元気やな〜!? 」
沙和「凪ちゃんの場合はやせ我慢しているだけなの〜!? 」
その通りである。
凪「情けない!隊長はこの猛暑の中、一人雑務をしているんだぞ 」
そう。一刀はただ一人警邏隊事務所で雑務をしていた。
温度的にはまだ外の方がマシだというのに
真桜「甘いなぁ凪、隊長かて今頃『あぢぃ〜!?』とか言ってぐったりしてるで 」
沙和「きっともう溶けてるなの〜 」
凪「それは…その… 」
普段の一刀を知るだけに
『そんなことはない!』
とは言えない凪であった。
それから少しして
凪「隊長、ただいま戻りました 」
真桜「このくそ暑いなか、ご苦労さん 」
沙和「もしかして溶けちゃってるなの? 」
三人が事務所に戻ると
そこにいたのは…
一刀「三人共、おつかれさん! 」
バァンッ!!
この暑いなか、汗ひとつかかずにいる一刀がいたのだった。
三人『・・・・・!? 』
全く予想外の光景に驚く三人であったが
凪「ほ…ほら見ろ!隊長だって暑いなか頑張っているんだから二人も頑張れ! 」
いち早く復帰した凪が一刀を見直すなか
真桜「(おかしい!!おかしすぎるっ!!) 」
沙和「(隊長は沙和達と同じだらけ民のはずなのに!?) 」
だらけ民…だらだらする人のこと
これはおかしいと考える二人
すると
真桜・沙和『むっ! 』
二人は一刀がこの暑いなかだというのに制服の上着を着ていることに疑問を抱き、そして…
じりじりっ…
一刀「えっ!? 」
バッ!
真桜「隊長!ちょっくら堪忍やで! 」
沙和「大人しくするなの〜!! 」
一刀「うわぁーっ!? 」
ドタバタンッ!!
じりじりと一刀に迫り、上着を脱がそうと襲いかかったのだった。
凪「おい二人共、やめ… 」
凪は二人を止めようとするが
それより先に
ガバッ!!
沙和「取ったなの〜!! 」
一刀「あっ!? 」
一刀の上着が剥ぎ取られてしまった。
その瞬間!!
ドバダァーッ!!
真桜「うわっ!? 」
物凄い量の汗が一刀の全身から噴き出した。
実はこの上着、特殊な魔法素材で編まれており耐寒耐熱性である。
そして暑いところでは涼しく、寒いところでは暖かくなるのだ。
ゆえに上着が脱がされると
一刀「あちちぃーーっ!! 」
急に暑くなったり、寒くなるのだ。
一刀「も…もうこんなの着てられるか!! 」
ガバッ!!
そして暑さに耐えきれなくなり、一刀は脱衣を開始した。
バサッ!!
シャツ、ズボン、パンツ
バサッ!!
皮…?
一刀「ふぅ〜、ようやく涼しくなったぜ!? 」
そんな一刀の現在の姿は…
バァンッ!!
ガイコツであった。
沙和「きゃあぁーっ!? 」
真桜「ギャグ漫画かい!! 」
さすがにガイコツでは色々とまずいため
凪「隊長!最低限の衣類を着てください! 」
一刀「え〜っ!?暑いから別にこのままで… 」
沙和「そういうわけにはいかないなの!! 」
真桜「さっさと服を着んかい!! 」
ギュッ!
一刀「いやぁんっ!! 」
この後、最低限の衣類として上着以外を着せられる一刀であった。
そして
カァッ!!
警邏に向かった四人であったが
真桜「あぢ〜!? 」
沙和「汗だくだくで気持ち悪いなの〜!? 」
一刀「もう外を歩きたくない〜!? 」
一刀を含めた三人がぐったりしていた。
凪「しっかりしろ二人共!隊長もちゃんとしてください!民や兵の見本となる我々がそんなことで… 」
また凪の説教が始まるなか
一刀「こんな暑い日に警邏なんてやってられるか!冷たいところで冷たい飲み物でも飲もうと思う人、手を挙げて〜! 」
真桜「はい! 」
沙和「はいなの! 」
一刀「多数決により隊長命令として今日は警邏をやめて冷たいものでも… 」
勝手なことを言う一刀を
ドッカァーンッ!!☆ミ
凪「隊長、いい加減にしないと殴りますよ 」
一刀「も…もう殴ってるじゃないか!? 」
容赦なく凪が殴るのだった。
部下である凪が上司である一刀に暴行する。
本来ならば違反行為なのだが凪達は華琳より『一刀がセクハラしたり、つまらないことを言ったらボコってよし』と言われているため大丈夫だったりする。
凪「心頭滅却すれば火もまた涼し!これくらいの暑さが何ですか!しっかりしてください 」
凪の場合、やせ我慢なのだが
真桜「せやかて暑いもんは暑いんやもん!みんなが凪のように我慢できるわけがないやんか!! 」
凪「何を!! 」
沙和「二人共、喧嘩はダメなの!?頭がくらくらするなの〜 」
あまりの暑さに仲違いをしてしまう一刀達
すると
一刀「くらくら… 」
ピンッ!
一刀が何かよからぬことを思いつき
一刀「そういえば事務所に忘れ物があったんだった。真桜、沙和、見つけるの手伝ってくれ!凪はそのまま警邏な 」
ぐいっ!!
真桜「何でウチらが!! 」
沙和「暑い事務所なんかに帰りたくないなの〜!? 」
凪「えっ? 」
凪一人を残し、事務所に戻る三人
それから少しして
真桜「隊長、忘れ物したって言うてたけど、それって嘘やろ 」
一刀「わかるか 」
沙和「さすがに隊長の考えくらいわかるなの 」
どうやらバレていたようだ
一刀「バレては仕方ない。最初から二人を巻き込むつもりだったし、この部屋を涼しくしようと思ってな 」
真桜「ホンマにできるんかいな? 」
少々疑う真桜であったが
一刀「フッ!俺の世界にはクーラーという冷房器具があってな、さすがにこの世界でクーラーを作るのは金も時間もかかりすぎるからダメだ。だがクーラーと同じ様にすることはできる! 」
真桜「『くーらー』って何だかわからへんけど、ようするに涼しくなるわけか! 」
沙和「凪ちゃんにはちょっと悪い気がするなの 」
一刀「大丈夫だって!凪は暑さに強いんだからさ 」
沙和「それもそうなの♪ 」
凪を除け者にして涼しくしようと企む三人
一刀「それじゃあ、早速いくぜ! 」
ギュッ!
一刀は杖を握ると
一刀「凍てつき、凍れ!アイス・ブリザード!! 」
シュッ!
杖を回転させながら上に投げた。
すると
パァーーッ!!
回転している杖から冷気が吹き出された。
真桜「魔法ってすごいなぁ 」
沙和「これならすぐに涼しく… 」
ところが
カァッ!!
真桜「あぢ〜!? 」
沙和「さっきよりかは涼しくなったけどまだまだ暑いなの〜!? 」
一刀「温度が高すぎて魔力が負けてるんだ。こうなったら俺の全魔力を使って涼しくしてやるーっ!! 」
ビュゴォーーッ!!
一刀が更に魔力を強くしたことにより、更なる冷気が吹き出された。
それから少しして
凪「結局隊長達は帰ってこなかったな、一体何を探してるんだろう? 」
ガチャッ…
警邏を終えて事務所に戻った凪が扉を開けてみると
そこには…
ビュゴォーーッ!!
まるで南極のように物凄い吹雪が吹き荒れていた。
凪「な…何が起こってるんだ!? 」
どうやら今度は魔力を強く出しすぎたことにより、気温がマイナスになっていた。
そして、中にいた一刀達三人はというと
カッチィーンッ!!
三人共、見事に凍っていたのだった。
一刀「ど…読者の皆、急な冷房はやめましょう!? 」
ちなみにいまだに中で吹き荒れる吹雪は一刀の魔力が尽きるまで吹いたという




