魅了(チャーム)と魔力消費
公演を見に来ただけのはずがいつの間にか平和として数え役満姉妹の一員となった一刀
しばらくは何事もなく、一週間が経過しようとしたのだが
偶然にもデビバットが呼び出した悪魔長の一人・レヴィアタンがこの世界で暗躍を開始し、魔力を使って黄巾党のみんなを自分の僕と化してしまったのだった。
天和「みんなどうしちゃったの!? 」
地和「みんなの裏切者!!昨日までみんなちぃ達にメロメロだったくせに何であんな格好してるのよ! 」
会場から外の様子を見ていた張三姉妹と一刀
すると
レヴィアタン「さぁて、あいつらにもあたしの魔力をかけてやる 」
♪〜♪〜♪〜♪
何やら妙な歌が聞こえた瞬間
人和「あ…頭が痛い!? 」
天和「痛いよ〜!? 」
地和「どうなってるのよこれ!? 」
突然三姉妹が苦しみだした。
一刀「やべっ!?魅了か!? 」
スッ!
何やら危ないと察した一刀は杖を取り出すと
一刀「偽りの魔力よ、去れ!ノットイレイザー!! 」
パアァッ!!
三姉妹に向けて魔法を繰り出した。
すると
天和「あれっ?痛みが無くなった? 」
人和「一体どうしたんですか? 」
たまたま一刀の近くにいた天和と人和は正気に戻ったのだが
少し離れた場所にいた地和は…
地和「レヴィアタン様、万歳! 」
黄巾党達と同じように『レヴィアタン様、万歳!』と叫ぶようになってしまった。
天和「ちぃちゃん、どうしたの!? 」
人和「ちぃ姉さん、しっかりして!? 」
地和「レヴィアタン様、万歳! 」
地和を止めようとする天和と人和であったが地和は二人の話を聞こうとしなかった。
すると
一刀「退いてな二人とも 」
スッ!
一刀が地和の前に立ち
地和「レヴィアタン様、万ざ… 」
叫びまくる地和目掛けて
ゴッチィーンッ!!☆ミ
地和「がはっ!? 」
バタンッ!!
一撃を食らわせたのだった。
天和「ちぃちゃん!? 」
人和「いきなり何をするんですか!! 」
一刀を責める人和であったが
一刀「今のが魅了を解く方法だ。その証拠に… 」
スッ!
一刀が地和を指差すと
地和「いたた… 」
そこには正気に戻った地和がいた。
天和「ちぃちゃん!よかった元に戻ったんだね! 」
地和「えっ?元に戻ったってどういうこと? 」
とにかく地和が元に戻ってよかったのだが
天和「あのね、一刀がちぃちゃんを殴って元に戻したんだよ 」
地和「何ですって!!ちょっと一刀、ちぃを殴ったってどういうことよ!! 」
人和「ちぃ姉さん、落ち着いて!? 」
怒り狂う地和を止めるのがまた大変であった。
一刀「今のが魅了の魔法だ。食らえば誰だろうと操り人形のように操られてしまう。誰かに殴られれば元に戻るがな 」
簡単な解説をする一刀に
天和「あれっ?じゃあ何で一刀は平気なの? 」
地和「そうよ!あんたが一番かかりそうじゃない 」
確かにそうなのだが
一刀「俺は昔から魅了をかけられてるから慣れてるんだよ 」
というのも、学園裏に住む魔法使いの物知りお祖母さんという人物が標的となった一刀目掛けて魅了を繰り出しているのが理由であった。
人和「じゃあ皆さんも殴れば正気に… 」
一刀「かもな、だがあの人数相手じゃ厳しすぎる 」
ここにいる四人に対して黄巾党達は軽く一万を越えていた。
一刀「ここは召喚獣に頼むしかないな 」
スッ!
一刀は召喚リングを指にはめると
一刀「いでよミノタウロス! 」
召喚獣・ミノタウロスを呼び出そうとするが
しーん…
一刀「ありっ? 」
呼び出せなかった。
地和「この阿呆使い!! 」
一刀「何で呼び出せないんだ!? 」
この時、一刀は気づいていなかったが
単純な話。魔力切れである。
召喚獣を呼び続けている間も強さや能力にもよるが術者の魔力はどんどん減っていく
いくら魔力消費が一番少ないとされるスライムとて一週間も呼び続ければかなりの魔力を消耗するのだった。
一刀「あぁ、何だか体の力が抜けていく!? 」
地和「ちょっと!? 」
人和「しっかりしてください!? 」
完全な魔力切れに気づいていない一刀
すると
天和「こんなの歌じゃないよ 」
地和「えっ? 」
人和「天和姉さん? 」
天和が突然言ってきた。
天和「あの『れう゛ぃあたん』って人、歌を人を支配するために使うだなんてひどい!!歌は人を楽しませるものなのに! 」
地和「姉さん… 」
いつもはおっとり系だが時には歌好きな女の子らしい反応をする天和
そしてうっかり地和が一刀から手を離すと
人和「ち…ちぃ姉さん、いきなり離さないで!? 」
地和「えっ?きゃあっ!? 」
天和「わっ!? 」
バッターンッ!!
人和一人だけで倒れる一刀を支えることができず、そのまま四人は倒れてしまった。
一方その頃、会場付近では
華琳「な…何よあれ!? 」
一刀を懲らしめに全軍率いてやって来た華琳達がレヴィアタンの軍勢を前にして驚いていた。
桂花「もしかしてバカ(一刀)の言う『もんすたあ』という怪物でしょうか? 」
秋蘭「だとしたら奴らが囲んでいるあそこに北郷が!? 」
華琳「(一刀…) 」
華琳が一刀を心配したその時
♪〜♪〜♪〜♪
華琳「な…何よ!? 」
会場の方から明るい感じの音楽が聞こえてきたのだった。




