地獄百足と風間流体魔術
一刀を元に戻すためグレムリンの記憶を頼りに悪魔軍の本拠地へ現れた華琳達大陸軍
そして悪魔軍の本拠地に着いて早々、マリア達戦力になる魔法使いはそれぞれ散らばるのだが、エレナ以外のみんなが悪魔長達と対峙してしまい、氷夢達は苦戦しながらも悪魔長の一人・レヴィアタンを撃破した。
一方
風羅「やあぁーっ!! 」
ブォンッ!!
風羅は対峙したベルゼバブ目掛けて拳を繰り出した。
魔法が使える魔法使いでありながら風羅は拳闘の方が得意だったりする。
だが
すかっ!!
風羅「また!? 」
風羅の拳はベルゼバブの体をすり抜け
ベルゼバブ「残念。外れだブーン! 」
ドカァッ!!
風羅「ぐっ!? 」
逆にベルゼバブの蹴りを食らってしまった。
ベルゼバブ「ムシシシッ!魔法使いの連中が来てるとわかったけどぼくちゃんと戦う魔法使いがお前のような雑魚でよかったブーン! 」
風羅「私が雑魚だと… 」
馬鹿にされたことで怒った風羅は杖をベルゼバブに向けると
風羅「嘗めるな!風よ、無数の散弾となれ!エアー・マシンガン! 」
ドドドォンッ!!
風羅はベルゼバブ目掛けて無数の風の弾丸を繰り出すが
スゥッ!
弾丸はベルゼバブの体をすり抜け
ベルゼバブ「こっちだブーン♪ 」
風羅「!? 」
いつの間にか風羅の背後に現れたベルゼバブが
ベルゼバブ「そらよ! 」
ドォンッ!!
風羅「がはぁっ!? 」
風羅目掛けて魔力弾を繰り出した。
風羅「まただ!?さっきから何度攻撃してもすり抜けてしまう!? 」
ベルゼバブ「ムシシシッ!お前にぼくちゃんを倒すことなんてできないのさ!さて、お次はこちらから攻めさせてもらうブーン 」
スッ!
ベルゼバブは構えると
ベルゼバブ「召喚魔法・魔ダニ! 」
ブォンッ!!
ベルゼバブ「それいけブーン! 」
シュッ!
ベルゼバブは魔方陣を出し、黒い虫を出現させると風羅目掛けて投げつけてきた。
風羅「何だこれ!? 」
サッ!
受けてはヤバイと感じ、避けようとする風羅だが
フッ!
先程まで受けたダメージのせいでうまく避けることができず、少し右腕に触れてしまった。
その直後
風羅「うっ!? 」
風羅が腕を押さえて苦しみ出した。
風羅「一体何が!? 」
ぐいっ!!
風羅は袖をめくって確かめてみると
バァンッ!!
風羅「何これ!? 」
風羅の腕に黒い塊がくっついていた。
ベルゼバブ「そいつは悪魔界に生息する魔ダニという魔力を食らうダニだブーン 」
※実在するマダニとは違います
ベルゼバブ「そいつは魔力を食い尽くすまで離れない。魔法使いにとって厄介なダニなんだブーン 」
この厄介な状況を前に
風羅「だったら、こうするまでです!!風よ、刃となりて我が身に宿れ!ウィンドブレイド!! 」
ビュウゥーッ!!
風羅は魔ダニが食いついていない方の腕に風を纏わせ刃と化すると
ズバァッ!!
ベルゼバブ「ぶっ!? 」
何と!?食いつかれた腕を切り落としてしまった。
風羅「はぁはぁ…これで魔力を食われることはありませんね!? 」
ギュッ!!
マントで腕を止血した風羅は言うが
ベルゼバブ「ば…馬鹿だブーン!?何処の世界に腕を切り落とす魔法使いがいるのだブーン!? 」
風羅「心配しなくても結構です。うちには治療してくれるエリスさんがいますから、あなたを倒した後で腕をくっつけてもらいます 」
スッ!
残された左腕一本でベルゼバブと戦おうとする風羅だが
ベルゼバブ「ムシシシッ!だが、お前が本当に馬鹿なのはあの程度のことで右腕を切り落としたことだブーン 」
風羅「あの程度… 」
ベルゼバブ「魔ダニなんて対魔法使いでは初級中の初歩!ぼくちゃんのとっておきを呼び出すブーン! 」
ブォンッ!!
そう言うベルゼバブが出現させた魔方陣から
わさわさわさっ!!
巨大な百足が現れた。
ベルゼバブ「こいつは魔力が好物の地獄百足。魔法使いを食らう度に足が増える。今は九十九本の足があるからお前を食って丁度百本になるだブーン!やれ! 」
わさわさわさっ!!
ベルゼバブの指示を聞き、地獄百足が風羅に向かっていく
風羅「くっ!? 」
逃げようとする風羅だが
ベルゼバブ「逃がすかブーン! 」
ブーン!
かさかさっ!
ベルゼバブから放たれた一匹のハエがマフラーの中に入り風羅の首の後ろを擦る(こする)と
風羅「ふにゃあ… 」
首が敏感な風羅は力が抜けてしまい
そして
ばくんっ!!
風羅「うわぁっ!? 」
風羅は百足に飲み込まれてしまった。
ベルゼバブ「ムシシシッ!お前の弱点はデビバットから聞いて調査済みだブーン!しかし相手がぼくちゃんでなければ食われて死ぬなんてことなかったかもしれないのに運のない奴だブーン!これで地獄百足の足は百本に… 」
ところが
ピシィッ!!
バッキイィーンッ!!
ベルゼバブ「ぶっ!? 」
突然地獄百足の体が割れてしまった。
ベルゼバブ「ど…どうしただブーン!? 」
すると
?「何とか間に合いましたね 」
バァンッ!!
制服の色が緑色となり、背中にはグリフォンの翼、首には首鎧、手が獅子のようになった風羅が百足の腹から飛び出したのだった。
しかも切り落としたはずの右腕までくっついていた。
ベルゼバブ「そ…その姿は一体!?そんなのデビバットからの情報になかっただブーン!! 」
融合風羅「当たり前です。これは我が家に伝わる召喚獣融合で今まで家族以外の人に見せたことないんですから 」
実を言うと風羅の実家の蔵にあった召喚獣融合の巻物を風羅が見てしまい練習の末に召喚獣融合ができるようになったのだった。
融合風羅「ベルゼバブ、あなたは私があなたと戦ったことが運のないと言いましたが運がないのはあなたの方です 」
ベルゼバブ「ほざくなブーン!!地獄百足は倒されたけどぼくちゃんにはまだたくさんの虫がいるのだブーン!!それいけーっ!! 」
ブォンッ!!
ガサガサッ!!
ベルゼバブは魔方陣からポイズンモス、ジャイアントインセクト、ミートアント等々危険級な昆虫モンスターを次々と繰り出すが
融合風羅「その理由を教えてあげましょう 」
スッ!
風羅は構えると
融合風羅「風間流体魔術・エアー・フィストガトリング! 」
ドドドォンッ!!
拳を繰り出しながらエアー・マシンガンをも凌ぐ風の弾丸を繰り出していった。
体魔術…風羅が独自に生み出した体術と魔術を組み合わせた技である
すると
ドカドカァッ!!
ギャシャアァーッ!?
ベルゼバブ「ブブゥッ!? 」
ベルゼバブの繰り出した昆虫モンスターが次々と蹴散らされていった。
融合風羅「昆虫モンスターは風属性に弱いものが多い。つまり私とあなたじゃ相性が悪いんです 」
火属性も昆虫モンスターには強いとされているが中には火が効かないモンスターもいる
だが風属性に強い昆虫モンスターは存在しないのだ。
ベルゼバブ「だが、相性がいいからってぼくちゃんは倒せないだブーン!その証拠にお前の拳はぼくちゃんには当たりもしない… 」
融合風羅「その理由ならわかりましたよ 」
ベルゼバブ「ブブゥッ!? 」
スッ!
風羅は構えると
融合風羅「風間流体魔術・サイクロンフィールド!! 」
ビュゴオォーーッ!!
風羅は全身から気を放つような感じで風の魔力を放ち周囲に風を巻き起こした。
その瞬間!
ビュゴオォーーッ!!
ベルゼバブ「ブッ!?ブブゥッ!? 」
バララッ…
ベルゼバブの体がどんどん崩れていき
ちょこん!
最後に残ったのは五センチはある巨大なハエが一匹だけであった。
実はこの巨大ハエがベルゼバブの本体であり、体は無数のハエでできていたのだ。
融合風羅「私が何度かあなたの体をすり抜けた際に妙な違和感を感じたんですよ。通常の私でしたらダメでしたがグリフォンと一体化したこの姿ならあなたを倒せる。そう確信したわけです 」
ずんっ!
ベルゼバブ「ブブゥッ!? 」
ベルゼバブに迫る風羅
ベルゼバブ「ぼ…暴力反対!!ぼくちゃんってばこんなにかわいいハエなんだから許して… 」
命乞いするベルゼバブであったが
融合風羅「聞く耳持ちません! 」
パッチイィーンッ!!
ベルゼバブ「ブーン!? 」
風羅は風の魔力を纏った両手でベルゼバブを潰したのだった。
やがて
シュパンッ!!
風羅「ふぅ… 」
ばたんっ!!
召喚獣融合が解け、倒れる風羅
風羅「さすがに元気が取り柄の私でも今回ばかりは力尽きてしまいました。皆さん、後はお願いします 」
戦いによるダメージ、右腕を切ったことで起きた出血、召喚獣融合の反動で力尽きた風羅はその場で気を失うのだった。
召喚獣ファイル
ガルーダ
属性:風属性
リングの色:緑色
所有者:エレナ・ウィザリー
赤い体毛の巨大な鳥。エレナを姐さんと呼ぶ
シーサーペント
属性:水属性
リングの色:青色
所有者:エレナ・ウィザリー
青の体をした海蛇の外見。水を吐く
エレナをエレナ様と呼ぶ




