仲違いと聖水
一刀を元に戻すためグレムリンの記憶を頼りに悪魔軍の本拠地へ現れた華琳達大陸軍
そして悪魔軍の本拠地に着いて早々、マリア達戦力になる魔法使いはそれぞれ散らばるのだが、エレナ以外のみんなが悪魔長達と対峙してしまった。
レヴィアタン「あらあら、あたしと遭遇するだなんて運がないわね 」
氷夢「お前は確か…!? 」
そして悪魔長の一人・レヴィアタンと遭遇してしまった氷夢は言った。
氷夢「レディーアンポンタン!! 」
ずこぉっ!!
お馬鹿な氷夢が名前を間違え、レヴィアタンはずっこけた。
レヴィアタン「だ〜れがアンポンタンよ!!これだから魔法使いは嫌いなのよ… 」
ビビッ!!
レヴィアタンは魔力を集めると
レヴィアタン「ねっ!! 」
ドォンッ!!
氷夢目掛けて水の弾丸を放ってきた。
水を操るレヴィアタンは水場でなくてもこれくらいはできるのだ。
対する氷夢は
氷夢「氷よ、凍てつけ!コルド!! 」
ビューッ!!
カチンッ!!
氷魔法を放ち、氷の弾丸を凍らせることで攻撃を防いだ。
氷夢「フッ!少々お馬鹿な私でも魔法の相性くらいは知っている。残念だがお前の水魔法では私の氷には勝てぬ! 」
確かに氷夢の言う通りなのだが
レヴィアタン「確かにその通りだけど、それはあくまで一般論の話、例外もあってねぇ!! 」
ビビッ!!
ドォンッ!!
レヴィアタンは再び水の弾丸を繰り出し
氷夢「何度こようと無駄だ!!氷よ、凍てつけ!コルド!! 」
ビューッ!!
氷夢はまた凍らせようとし
パキパキッ…
水の弾丸は一時は凍ろうとするも
パッキィーンッ!!
氷夢「なにぃっ!? 」
完全には凍りつかず、氷が破壊され
ズドォッ!!
氷夢「がはぁっ!? 」
水の弾丸は氷夢の右足に命中した。
レヴィアタン「込める魔力によっては打ち消すことができなくなるのよ 」
これはレヴィアタンの言う通りであった。
氷夢「おのれ… 」
そして氷夢が次なる手を繰り出そうとしたその時!
氷夢「は…は…ハックショーンッ!! 」
氷夢がくしゃみをした瞬間
炎夢「あれれ? 」
レヴィアタン「んっ? 」
もう一つの人格である炎夢に代わってしまった。
炎夢「ここは何処?何で目の前に悪魔長のレヴィアタンがいるの?いててっ!!何で足を怪我してるの!? 」
互いに記憶を共用していないため急に代わると混乱してしまう
レヴィアタン「何だかよくわからないけど、殺す標的に変わりないわ! 」
ドォンッ!!
レヴィアタンは急に代わった炎夢目掛けて水の弾丸を放った。
炎夢「わわっ!?今は頭を痛ませてる時じゃない 」
スッ!
炎夢は構えると
サッ!
レヴィアタン「なっ!? 」
レヴィアタンの攻撃を軽い動きで避けてしまった。
炎夢「この位置に避ければ攻撃は食らわないんだよね 」
炎夢は見た目は能天気だが、実はかなりの頭脳の持ち主だったりする
レヴィアタン「えぇいっ!!北郷一刀といい魔法使いってのはあたしをイラつかせることに才能があるようだね!!だが、これならどうかな! 」
ドォンッ!!
レヴィアタンは次なる手として再び水の弾丸を放った。
だが狙いは炎夢ではなく自分の頭上であった。
炎夢「あれれ?頭がおかしくなったのかな?狙いが外れてるよ 」
レヴィアタン「んなことわかってるんだよ!! 」
パチンッ!!
そしてレヴィアタンが指を鳴らした瞬間!
バシュシュンッ!!
炎夢「えっ!? 」
水の弾丸が破裂し、拡散してきた。
ドシュシュシュンッ!!
炎夢「うわあぁーっ!? 」
さすがの炎夢も全ての弾丸の軌道は読めずいくらか食らってしまった。
レヴィアタン「こうすれば全てを避けきるなんて無理よねぇ 」
炎夢「う〜っ!? 」
完全に避けきれると自信があっただけに攻撃を食らってしまったことが悔しかったようだ。
レヴィアタン「あんたみたいな雑魚ごときにあたしの真の姿なんて見せる必要ないと思うけど、あたしを封印してくれた魔法使いへの腹いせにあんたをブッ殺してやるよ!! 」
バシュンッ!!
レヴィアタンは全身を水の膜で包むと
バシャァッ!!
シャアアァァーーッ!!
膜の中からレヴィアタンの真の姿であるリヴァイアサンが現れた。
炎夢「り…リヴァイアサン!? 」
リヴァイアサン『さぁて、手っ取り早くブッ殺してやるよ!! 』
シャアアァァーーッ!!
リヴァイアサンが炎夢に襲いかかったその時!
炎夢「こうなったら奥の手を使わなきゃ死んじゃうよね 」
スッ!
炎夢は召喚リングを指に填めると
炎夢「召喚獣融合! 」
パアァッ!!
ジャキンッ!!
リヴァイアサン『なにぃっ!? 』
召喚獣融合を発動させ二人となった。
融合炎夢「いくよ氷夢! 」
リヴァイアサンを前にし、戦おうとする炎夢であったが
融合氷夢「無理だ。逃げよう 」
融合炎夢「えっ!? 」
対して氷夢は逃げるを選択していた。
融合炎夢「何を言ってるの!? 」
融合氷夢「お前こそ戦うだなんて何を言ってるんだ!!頭の悪い私でもリヴァイアサンには勝てないことだけはわかる!お前ならそれがわかるはずだろ!! 」
融合炎夢「それは…そうだけど… 」
氷夢より頭の良い炎夢はリヴァイアサンに勝てないことはわかりきっていた。
融合氷夢「ここは逃げて他のみんなが悪魔長達を倒すのを待とう。そしてリヴァイアサンを相手してもらうんだ! 」
他人任せな氷夢の発言に
パシィンッ!!
融合氷夢「えっ!? 」
普段は大人しい炎夢が氷夢の頬をはたいた
融合炎夢「逃げたきゃ氷夢だけで逃げてあいつの相手は私がするからさ! 」
スッ!
そして炎夢はリヴァイアサンの方を向くと
融合炎夢「ハアァーッ!! 」
ゴオォーーッ!!
炎を繰り出しながらリヴァイアサンに向かっていった。
リヴァイアサン『馬鹿め!あたしに炎が通じるわけないだろう! 』
だが水属性であるリヴァイアサンに炎攻撃はあまりダメージを与えられない
リヴァイアサン『こいつでくたばりな!! 』
ブッシャアァーーッ!!
リヴァイアサンは炎夢目掛けて口から強烈な水を噴き出した
その威力は水の弾丸の数十倍、まともに食らえば命が危ない!?
融合炎夢「くっ!? 」
避けようとする炎夢だが
ズキィッ!!
融合炎夢「うっ!? 」
最初に食らった攻撃の痛みで逃げるのが遅れてしまい
リヴァイアサン『死ねぇ!! 』
このままでは攻撃が直撃してしまうのだった。
融合炎夢「(これまでか) 」
炎夢が諦めかけたその時!
バッ!
融合炎夢「えっ!? 」
誰かが炎夢の肩を持ち上げて直撃を避けた。
その誰かとは
融合氷夢「危なかったな 」
バァンッ!!
もちろん氷夢であった。
融合炎夢「何で来たの!? 」
融合氷夢「そりゃ炎夢が殺されたら私も死ぬわけだし 」
二人になっているのはあくまで召喚獣融合の力であり、融合が解ければ一人に戻ってしまう
なのでどちらか片方でも死ねば戻った時も死んでしまうのだがそれはともかく
融合氷夢「私達は長い付き合いだからな、見捨てられるか 」
融合炎夢「氷夢… 」
ずっと長いこと一緒にいたもう一人の自分を見捨てるなんてできなかったのだった。
すると
リヴァイアサン『だったら二人仲良く死にな!! 』
ばくんっ!!
隙を見せた二人をリヴァイアサンが飲み込んでしまった。
リヴァイアサン『あたしの胃液は鉄をも溶かす!あんたらはあたしの養分となる運命… 』
だが
リヴァイアサン『うぐぅっ!? 』
二人を飲み込んだリヴァイアサンが急に苦しみ出した。
リヴァイアサン『あ…熱い!?お腹の中が熱い!? 』
何が起きているのかというと
融合氷夢「リヴァイアサン、お前の敗因は… 」
融合炎夢「私達二人を飲み込んだことだよ! 」
ビュゴオォーッ!!
ゴオオォーーッ!!
二人はリヴァイアサンの腹の中で氷と炎を繰り出し、氷を炎で溶かしていた。
その結果、氷は液体となったのだがもちろんただの液体ではなく
二人が力を合わせた結果、液体が悪魔の弱点である聖水に変化したのだった。
融合氷夢「炎夢、お前とは仲が悪いがたまには手を組むのも良いものだな 」
融合炎夢「そうだね 」
普段は同時に出ると性格が違うため仲違いしている二人だが手を組むことによりその力を高めることができるのだ。
そして
リヴァイアサン『い…いやあぁぁぁぁぁーーっ!! 』
ドッカアァーーンッ!!
いくら悪魔長とはいえど、大量の聖水を食らったことによりリヴァイアサンは爆散してしまった。
そして
ぼとっ!!
飲み込まれた二人も出てきたのだが
融合氷夢「もう体が動かぬな 」
融合炎夢「こうなると元に戻りたくないよね 」
今は二人に分かれているため疲労は半減しているが元の一人に戻ってしまうと疲労は倍になるのだが
融合氷夢「そういうわけにもいかないだろう。だが、あとのことは皆に任すとしよう 」
融合炎夢「賛成だね 」
シュパンッ!!
そうしている間に召喚獣融合が解け
炎夢「ZZZ… 」
召喚獣融合の反動で眠ってしまう炎夢であった。
召喚獣ファイル
グリフォン
属性:風属性
リングの色:緑色
所有者:風間風羅
鷲の翼と上半身、獅子の下半身を持ち、頭と胴体の色は深緑で翼は黒く脚は金色の象なみ大きさを持つ召喚獣
戦闘狂で好戦的な性格で台風並みの風を起こす




