出会い
夏が過ぎ、秋がやってきた。
付き合いだした友達も何人かいて、
"恋バナ"は楽しかったけど、未だに分からない男子の良さ。
私はひとり抜け出してトイレに向かっていた。
私は2組。
トイレがあるのは3組の前を通ってすぐの所。
特に何も考えずにボーーッとしながら歩いていた時、前から誰か歩いてきた。
反射的に顔をあげた私はその男子と目が合った。
他のクラスの人達も一応覚えてはいたけど、
初めて見る人だった。
この学校にしては珍しく長身で、坊主頭。
整った顔立ちだけどどこか冷たく、
私を見下ろしていた。
第一印象は"目つきの悪い男子"だった。
それから度々廊下ですれ違うようになって
その度に目が合う私は、なぜこんなにも目が合うのか
何組なのか、なんていう名前の人なのか
何も分からない謎の男子に、私は次第に興味を持つようになった。
ある日、友達と歩いている時にその謎の男子とすれ違った。
また目が合う。
私は思わず「あの人カッコいいよな」と
口走っていた。
本当に思ってたのかは分からない。
だけど、周りの男子とは確かに違う感情を
抱いているのは間違いなかったんだ。
すると、友達が話はじめた。
「あー確かにあの人カッコいいよな!なんかあの人3組の人で、転校してきたらしいねんけどすぐに事故って入院してて、ずっと学校来てへんかってんて!ほんで最近学校来るようになってんてー」
私
「そ、そやったんや。。そら最近見るようになるわけやな(笑)なんか、いつも目合うし、クールな感じやから誰なんやろーっておもててん!」
そして、やっと知った彼の名前。
"林下 優樹"(はやしした ゆうき)
後に私は、この人に恋をする。