ドキドキ
……アル!!
「誰だ?お前?」
「お前こそ誰だよ……」
「俺は、レオ王子だ。」
「あー。あそこのクソ王子ね。」
「何だと!!貴様!!この、俺をバカにするのか!」
「ああ。てか、本当のことだろ?バカ王子様ー。」
「貴様!!覚悟があってバカにしているのだな…」
「はぁー?何で、覚悟しなきゃいけないわけー?」
「貴様…名は?」
「アル……」
「フッ!!どこのものかと思ったらあんなチンケナ町の王子とは…ハッ…笑わせてくれる……」
「ふ、二人ともやめてよ!!何で、そんなに怒ってるの?」
「メイ………」
アルが私の手首を掴んで走った
「あっ!!おい!!待て!!」
「ア、アル?」
どこまで走るの?
どうしたの?アル…
何だか怖いよ………
アルが私の手首を掴んでずっと走る
「アル…痛いよ…離してよ…」
ギュッ
「アル!!」
「……………!!」
「アル…どうしたの?」
「ごめん。メイ…でも、メイが悪いんだ…」
「え?」
突然、アルが私を抱きしめた。
「ア、アル…?」
「メイのバカ………」
「く、苦しいよアル。」
「メイは俺のもんだ……」
「えっ?」
「っ!!な、何でもない!!」
アルの心臓の音が聞こえる…
すっごく速い…
私のも、聞こえてるのかな……
聞こえてたら恥ずかしいな…
すっごくドキドキしてるから……
「ねー。メイ。もう少しだけ。もう少しだけこのままでもいい?」
「えっ…う、うん。」