Ep57:和解の第一歩
教室に柔らかな朝日が差し込み、緊張と期待が混ざり合う中、星見キッズは事件の解決に向けた大切な一日を迎えた。
前日の山本大輔との接触後、佐藤修はチームと共に和解の場を設けることを決めた。
ダイスケはクラスで優しくて面倒見がいいと評判の6年生で、今回の行動がそのイメージとは裏腹にあったことに本人も困惑していた。シュウは罰を与えるよりも理解と許しを優先。
被害者の佐々木翔太と田中悠斗も教室に集められ、穏やかな解決を目指した。ショウタは知識がない無垢な少年として、ダイスケの行動に恐怖を抱いていたが、シュウのサポートで参加を承諾していた。
シュウが教室の中央に立ち、落ち着いた声で開始した。
「みんな、今日は大事な日だ。ダイスケ、ショウタ、ユウト、前に出てくれ。ハル、ユウキ、サポート頼む。タクミ、隣にいてくれ。」
タクミがシュウの肩に軽く手を置き、励ました。
「シュウ、うまくいくよ。僕がそばにいるから。」
ハルがショウタを優しく促し、言った。
「シュウ、ショウタ、怖がらなくていいよ。一緒に頑張ろう。」
ユウキがメモを手に持ち、冷静に記録を始めた。
「シュウ、進行を管理するよ。和解の証拠も残す。」
ダイスケは恐る恐る前に出て、俯いたまま謝罪を始めた。
「シュウ…、みんな…。ごめん。僕、トイレで変なことして、ショウタやユウトを怖がらせた。クラスで優しいって言われるけど、実は承認欲求が強すぎて…。そんな気持ちで行動してしまった。」
ショウタが目を伏せ、小さな声で尋ねた。
「ダイスケ…。怖かったよ。何でそんなことしたの?」
ユウトも震えながら加えた。
「僕も同じ。10分もされて、恥ずかしかった。ダイスケ、優しいって聞いてたけど…怖かった。」
シュウはダイスケの肩に手を置き、厳しくも温かい口調で言った。
「ダイスケ、謝るのはいい。でも、気持ちを伝えるだけじゃ足りない。ショウタとユウトに、どうしたいか考えたか?」
ダイスケは涙をこらえ、頭を下げた。
「…分かった。もうイタズラしない。約束する。クラスで面倒見がいいって言われるだけじゃなく、本当にそうなりたい。許してくれたら、友達になりたい…。」
ハルがショウタに近づき、励ました。
「ショウタ、ダイスケが謝ったよ。クラスでは優しいって聞いてるし、許してあげてもいいかな?」
ショウタは迷いながらも頷いた。
「…うん。怖いけど、シュウがいるなら大丈夫。ダイスケ、謝ってくれて嬉しい。許すよ。」
ユウトも小さく頷き、言った。
「僕も許すよ。ダイスケ、優しいって聞いたから、友達になれる?」
ダイスケは驚いた顔で顔を上げ、涙を拭った。
「本当? ありがとう…。ショウタ、ユウト、友達になれるなんて嬉しい。もう絶対やらないから…。」
ユウキがメモを閉じ、分析を加えた。
「シュウ、和解は成立した。ダイスケの動機は承認欲求から来てたけど、後悔も本物だ。フォローが必要だね。」
タクミがシュウに寄り添い、囁いた。
「シュウ、うまくいったね。君の力だよ。後で褒めてあげる。」
シュウは教室を見渡し、満足げに言った。
「よし、和解はこれでいい。ダイスケ、明日から2人と協力して友情を深めろ。ハル、ユウキ、フォローを頼む。タクミ、俺と一緒に次を考える。」
ダイスケ、ショウタ、ユウトはぎこちなくも握手を交わし、新たな絆の第一歩を踏み出した。シュウは内心、安堵と達成感に包まれたが、桜の木の謎がまだ残っていることを思い出した。
「これで一件落着…か? 修学旅行前に片付けられてよかった」
その夜、シュウは自宅でノートに記録をまとめ、次の課題に目を向けた。桜の木の謎と修学旅行が近づく中、チームの結束をさらに強める決意を固めた。
(Ep57 完)




