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Ep30:3学期の始まり(合唱祭と謎)


2026年1月、星見小学校は3学期を迎えていた。冬休みが終わり、生徒たちは新しい年への期待と、少しの緊張感を抱えて登校していた。星見キッズもまた、クラスメートたちと再会し、賑やかな教室に戻ってきた。


年末年始の穏やかな時間を通じて、星見キッズはそれぞれシュウとの関係やチームの未来について考えを巡らせていたが、完全な再結集にはまだ至っていなかった。


シュウがタクミへの感情を抑えきれず、チームワークが乱れた過去が、カナエ、ケンタ、リナとの間に微妙な距離を生んでいた。




3学期の大きなイベントである合唱祭が、1月の終わりに行われる予定だった。5年1組の担任、田中先生が朝のホームルームで発表した。「みんな、今月末は合唱祭だよ。5年1組は『Believe』を歌うことに決まった。クラス全員で協力して、素敵なハーモニーを作ろうね!」生徒たちから歓声が上がり、シュウたち星見キッズもその中にいた。




「合唱祭か…。みんなで歌うの、楽しそう…」シュウはノートを手に呟いたが、心の奥には冬休み中の事件が重くのしかかっていた。




シュウのノートには、12月26日に起きた公園刺傷事件の記録が残されていた。ジョギング中の田中一郎が刺され、意識不明の重体に陥った事件。現場に残された「次はお前が…見つけるまで」「次の事件は新年」という脅迫文は、シュウを標的にした犯人のメッセージだった。




あの事件を解決した後も、犯人の次の行動がいつ起こるか分からない不安が、シュウの心を離れなかった。


「新年…。もう2026年だ。犯人が動くなら、そろそろ…。タクミやみんなを巻き込む前に、僕が解決しないと…」シュウはメガネを直し、教室の喧騒の中で考え込んだ。






放課後、5年1組は音楽室に集まり、合唱祭の練習を始めた。


田中先生がピアノを弾きながら、「はい、みんな、まずはパートごとに分かれて練習しよう。男子は低音パート、女子は高音パートね」と指示を出した。


シュウとタクミ、ケンタは低音パート、カナエとリナは高音パートに分かれ、それぞれ練習を始めた。


「Believe」の優しいメロディが音楽室に響き、生徒たちの歌声が重なった。


シュウは低音パートで歌いながら、タクミの横顔をちらりと見た。タクミが一生懸命歌う姿、無垢な声と笑顔が、シュウの心をざわつかせた。


「タクミ…。君の声、綺麗だ…。でも、この気持ちを抑えないと…。みんなをまた傷つけたくない…」シュウは目を閉じ、感情を抑えようとした。


タクミが「シュウ、僕、音外しちゃった…。難しいね」と笑うと、シュウは「ううん、タクミ、頑張ってるよ。僕も一緒に練習するから…」と微笑んだ。




ケンタがその様子を見て、少し眉をひそめた。


「シュウ…。またタクミのことばっかり…。でも、僕も我慢する…。合唱祭、成功させたいし…」


カナエとリナは高音パートで練習しながら、シュウたちの様子を見ていた。「シュウ、タクミと楽しそう…。でも、距離を取るって決めたから…。今は合唱祭に集中しよう」カナエが呟き、リナがスケッチブックに歌うクラスメートの姿を描きながら、「うん…。でも、シュウとタクミがそばにいると、星見キッズの思い出が…。また5人で笑いたいな…」と呟いた。


カナエが頷き、「そうだね、リナ。合唱祭が終わったら、シュウとちゃんと話そう…。星見キッズ、解散したくない…」と決意を込めた。






練習が進む中、シュウは歌いながらも心の中で事件のことを考えていた。「犯人の次の事件…。新年って、いつだ? 合唱祭の頃か、それとも…。タクミやみんなを守るためにも、準備しておかないと…」シュウはノートを手に、脅迫文の言葉を何度も読み返した。高木刑事からの連絡はまだなく、犯人の動きは静かだったが、その静けさが逆に不気味だった。




合唱祭の練習は毎日続き、5年1組の歌声は少しずつまとまってきた。


田中先生が「みんな、すごく上達してる! 本番まであと2週間、頑張ろうね!」と励ますと、生徒たちから拍手が起こった。


シュウはタクミと一緒にパート練習をしながら、「タクミ、すごく良くなった。合唱祭、楽しみだね」と話しかけた。「うん、僕、歌うの楽しいよ。シュウと一緒に歌えるの、嬉しい…」タクミが無垢な笑顔を見せ、シュウの心臓がドキリと鳴った。


「タクミ…。僕も嬉しいよ。でも、この気持ち…。抑えないと…」シュウは目を逸らし、感情を押し込めた。




カナエ、ケンタ、リナも練習に励みながら、シュウとの距離を感じていた。「シュウ、頑張ってるけど…。まだタクミのこと、特別に見てるよね…」カナエがリナに囁いた。「うん…。でも、シュウも変わろうとしてる気がする。合唱祭が終わったら、話してみよう…」リナがスケッチブックに「Believe」の歌詞を書きながら答えた。


ケンタがサッカーボールを手に、「シュウ…。僕もシュウのこと嫌いじゃないよ。星見キッズ、復活させたい…」と呟いた。






1月も中旬に差し掛かり、合唱祭の本番が近づいていた。


星見キッズは練習を通じて、少しずつクラスメートとしての絆を取り戻しつつあったが、星見キッズとしての完全な再結集にはまだ時間がかかっていた。


シュウは毎晩、ノートを見返しながら犯人の次の行動を予測しようとしていた。「新年…。合唱祭の頃か、それとも…。もし犯人が動くなら、みんなを守らないと…」シュウの心は、合唱祭の楽しさと、事件への不安で揺れ動いていた。






そして、1月20日、合唱祭の前日。5年1組は最後のリハーサルを終え、みんなで教室に戻っていた。


田中先生が「明日はいよいよ本番だよ。みんな、よく頑張った! 最高の歌声を響かせようね!」と励ますと、生徒たちから歓声が上がった。


シュウはタクミと一緒に片付けをしながら、「タクミ、明日、緊張する?」「うん、ちょっと…。でも、シュウがそばにいるから、大丈夫だよ!」タクミが笑顔を見せ、シュウは「僕もタクミがいるから頑張れる…」と呟いた。カナエ、ケンタ、リナはその様子を遠くから見つめ、複雑な表情を浮かべた。




その夜、シュウは自宅でノートを開き、事件の記録を見直していた。


「合唱祭が終わったら、みんなとちゃんと話そう…。星見キッズを復活させる…。でも、犯人の次の事件が…」シュウが呟いた瞬間、携帯に高木刑事からの着信が入った。


「もしもし、シュウだよ。高木刑事?」


「シュウ、悪いな。事件だ。星見小学校の近くにある公民館で、男性が刺された。意識はあるが、現場にまた脅迫文が…。『次はお前が…星見キッズを壊す』って書いてある。シュウ、すぐ来てくれ!」高木の声が緊迫していた。


シュウはノートを握りしめ、「…来た…。新年最初の事件…。星見キッズを壊す…。犯人が本気だ…!」シュウはコートを手に、公民館に向かった。雪が降り続ける夜、合唱祭の前日に新たな事件が始まり、星見キッズの試練が再び動き出した。




(Ep30 完)

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