表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

四季と蜜柑と空の色。

夏と蜜柑

作者: 塩濆け幾等

「「はあ、暑いなぁ、もぅ、、」」


皆が口を揃えて愚痴を零す。

今は肌を陽射しが強く照り付ける季節、夏。

特に暑くなる8月上旬だ。


僕らはそんな中毎日のように地獄の練習に明け暮れている。

まだ涼しい朝にランニングをし、昼頃には地獄の走り込み、夕方になると本格的な競技を行う。

ただ、ただ、走る。

そんな日々に嫌気が差してきたこの頃、周りも同じように疲弊している。


休憩中、そんな僕らを見て、主将(キャプテン)が口を開く。

「お前ら、なにをこのぐらいで疲れ切った顔をしてやがるんだ!夏はまだまだこれからだぞ!」

僕らは口々に言う。

「だって暑いんですよ。しかも毎日毎日走ってたら、疲れますよ」

「日に日に疲れがたまっていくだけだし、、」

「疲れすぎて腹も減らないっすよ」


「だったらな、いいか、よく聞け」


主将が真剣な表情で口を開く。

「お前ら、夏ミカンは食ったことあるか?」

「「はっ??」」

何を言ってるんだこの人と僕は思う。

「あ、ありますけど?」

「それは甘かったか」

「はい」


「じゃあ、夏の蜜柑は食ったことあるか?」


「「はい?」」

「まあ、たぶん食ったことある奴はいないと思うけどな、味は想像できるだろ?」

多分まだ熟していないからかなり酸っぱいのだろう。

「蜜柑は夏ミカンとは種類が違う。夏ミカンは秋に実を付け、冬に色づき熟しはじめ、春から初夏に収穫される。」

何が言いたいんだこの人、とその場にいた奴らは思ったことだろう。

「でもな、蜜柑は初夏ごろに成長し始め、夏の間に成長し、夏の終わりから秋の始めごろに熟し、冬に収穫される。だから、夏の蜜柑ってのは酸っぱいんだ。」


「駅伝はいつだ?」

「11月です。」

「だろ、だから俺らは蜜柑みたいに夏に成長して熟さないとならない。だから今の時期のきっつい練習こそ、熟すためだから大事なんだ。」


皆がはっとする。

「だから8月中の練習は気を抜かずにしっかりやれ。あと、蜜柑が成長するのに水分がいるのと同様に俺らも水分がいる。水分補給だけは忘れんなよ。」


「はい、話終わり、練習再開!」

青い空と強いオレンジ色の陽射しとともに、今日も僕らは走り出す。





お読みいただきありがとうございます!


夏ってあついですよね。

暑い夏でも懸命に練習を続ける陸上部員たちをイメージして書きました。


これからも暑さに負けず頑張って行きましょう!(笑)


いいねと評価よろしくお願いします!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 蜜柑って言ったら冬って感じがするけど、夏とも合うなぁと思いました! 最後の一文、青春って感じします
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ