3話 帰宅と対面
3日空いてしまい申し訳ありません。
移動時間やら上手く使ってできるだけ更新できるよう頑張ります。
殺到する敵兵…飛び交う怒号、悲鳴…散り行く命の数々…
敵は誰だ?
何をどこで間違えた?
違和感はどこだ?
信長が新たな生を受け5日が経った。
眠気に勝てないこの身体で拾える会話から言葉を学びつつ、体感ではまだ5日前の出来事へと思考を巡らせる日々だ。
あの時、状況が切迫しているが故に切り捨てた違和感。それが全てを明らかにするのはまだ先の話であった。
過去への思考から現実へと意識を戻すとどうも父親がやってきたようだ。
母親も荷造りをしている。ここは家ではないのか?移動するのか?信長は会話に耳を傾ける。
「母子共に何もなくて何よりだな!荷造り何か手伝う?」
「もう終わるから運ぶのはお願いしていいかしら?」
「勿論!家に帰れるけど、親父も今日はいるからちょっと慌ただしいのは勘弁な!」
どうもこれから家に帰るらしいこと、祖父との対面があるらしいことがわかった。
「義弟さんもやっぱりいるわよね?ちょっとまだ気を使っちゃうのよね。」
「あいつは気位が高いからなー…。まぁその辺は俺がなんとかするから春花は親父と信長との相手してやってくれよ。」
「それもそうね。あのお義父様が初孫にどんな顔するのか楽しみだわ。」
そういうと母春花は信長を抱き上げ歩き始めた。
-つまりは家に帰る、かつ祖父と叔父との対面ということか。人物と立場を確認出来れば上出来…か。
「とりあえず車回してくるからロビーで待ってて!」
そういうと秀信は荷物を抱えて先に出て行った。
そして病院のロビーでソファーに座ると母春花が信長へ話しかけた。
「あの人の思い込みで信長なんてすごい名前になっちゃったけど、その名前に負けないすごい人になってね。どんなことがあってもずっと愛していくから。」
そう言い春花は信長を優しく抱きしめる。
-母親の愛情…。この感覚を言うのだろうな。わしは…他生で父としてはどうだったのであろうか。
戦国乱世の覇道を突き進んだ前世、乱世の将としてのわしは征く道を行った。だが大凡人としての普遍の幸せ、民が求めるであろう充足。世の大半を占める民にわしは統治者として何を与えられたのだろうか。
母の愛情を感じた信長はまた一つ足りていなかった自身を知った。
そうしていると秀信が近づいてきた。
入口から戻って来たようだ。
「車回してきた!行こう!」
-車…移動するものだろう。石油とやらで動くものか?
信長の朧げな視界の先に黒い箱のような何かがある。どうやらそれが車だろう。
-鉄の箱…?これが動くのか?
春花が信長を抱きながら後部座席に入る。そして動き出した。
-なるほど。馬の代わりか。400年…なんとも面白き生を受けたものじゃ。おそらくこの車というのは当たり前のものなんのだろう。これ程のものが当たり前…戦の有様も変わっておろうな。くくくっ…。楽しみじゃ。
信長は一つ文明の進化を体感し、己の思惑の先にあるであろう楽しみに浸りながら車は家路を進む。
15分後、車が止まり秀信も春花も車を降りた。家に着いたようだ。
信長はまだわからないしはっきりと視えてもいないのだが、現代人の感覚で言うところの豪邸というわけではないが金持ちそうな広目の庭のある一軒家だ。
信秀がドアを開けると中から走るような足音と大きな声がした。
「帰ってきたかー!!わしの孫はどこじゃー!!」
どうも祖父との対面は…騒がしいことになりそうだ。
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