エミリーの魔法のおはなし
空の旅を終えた私たちは部屋に帰ってきた。
そして、私はベッドに寝転がっていた。
「ふぅ~、楽しかったぁ。
そういえば、エミリーってちょくちょく私の心を操ってない?」
今日は、急に落ち着いたり、怖くなくなったりということがよく起きてたんだよね。
「そうよ。声に魔力を含ませると、自分より魔力量が低い人を操れるの。簡単に言えば、言霊や催眠術みたいなものよ。」
「それって凄いけど、ちょっと怖いね…。エミリーなら、誰でも操れるってことでしょ?」
「ふふっ、そういうこと。何かしてあげましょうか?」
「面白そうだけど…遠慮します。」
「ざんねーん…。じゃあ、また今度してあげるわね。」
「やめてください!」
「お断りよ。真由をからかうのって楽しいし。
そろそろ寝た方がいいんじゃない?」
「話を逸らしたなぁ…!はぁ、そうだね。そろそろ寝ることにするよ。」
部屋の時計を見ると、もう22時を過ぎていた。
明日からまた学校だし、寝ないとね。
「エミリーはどうするの?」
「んー…真由と一緒に寝ることにするわ。」
「えっ、このベッドで?」
「そうよ。嫌なのかしら?」
「そうじゃないけど…エミリーは小さいから、潰しちゃいそうだし…。」
「じゃあ大きくなればいいのね。」
エミリーはそう言って、地面に着地した。急に飛ぶのをやめたけど、どうしたんだろ?
「ふふっ、驚かないでね。」
エミリーは胸の前で手を組み、目を瞑った。
見た目が綺麗だから、ちょっと神々しい気がする。
…あれ?
「わわっ、エミリーの体が光ってる!?」
エミリーの体が白い光に包まれた。顔も服も見えなくなった。
そして…どんどんに光が大きくなってきた。
だいたい私の身長と光が同じサイズになった頃、最後にピカッ!っと光が強くなり、私は反射的に目を瞑った。
「眩しい!…え、エミリー!?」
光が収まったから目を開くと、目の前には、私と同じぐらいの大きさになったエミリーがいた。胸は私より大きい。ちくせう。
「凄い!おっきくなったね!胸も私より大きいし!」
「ふふっ、驚きすぎよ。お母さんが来たらどうするの?」
「あ、ごめんなさい。でも…びっくりしたよ!私と同じぐらいだね!」
私がベッドから降りて立ってみると、エミリーは私より若干低いぐらいだった。150cmぐらいかな。
「もっと大きくもなれるわよ。胸も大きくできるしね。」
「そっちはもう十分です!」
既に私より胸が大きいのに、背は私より低いから、ドレスの透けている部分から大きいのがよく見えるんだよね…。
「これなら潰れないでしょ?」
「そうだね。じゃあ、一緒に寝よっか。」
私はベッドに寝転がり、エミリーを招き入れる。
「ちょっと狭くてごめんね。」
「別にいいわ。どうせこうするし。」
エミリーが仰向けに寝ていた私の腕にくっついてきた。おぉ、腕が幸せなことになってる。
うん、これじゃ寝れないよ…。
「ふふっ、ドキドキしてるわね?それじゃあ、おやすみなさい。」
エミリーが目を閉じた瞬間に、部屋の電気が消えた。魔法で消したっぽい。
「うぅ…おやすみなさい。」
お母さん以外で、女の子に抱きつかれた経験はほとんどないし、同級生はここまで豊かなモノを持っている人はいない。
私は、初めての経験にどぎまぎしながら過ごしているうちに、眠っていた。
明日からどうなるんだろう…楽しみだな。
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