妖精ちゃんと契約したおはなし
TS転生したら美少女だったからYouTuberをやってみた!↓
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保木 真由
主人公。身長154cmの小柄な14歳の少女。妖精と契約できる才能があり、見事?妖精と契約することができた。声が可愛い。見た目は…?
エミリー
妖精。身長20cmの妖精ちゃん。超美少女で、鈴の鳴るような声。真由と契約した。ドS疑惑がある。胸が大きい。
「ふわぁぁぁ…そろそろ寝ようかな…。」
大きなあくびが出ちゃった。時間は…21時半かぁ。
自分の部屋でくつろいでいるとリラックスするのか、すぐ眠たくなるんだよね。
寝転がった後、腕を伸ばして顔の上でスマホを触るのが好きだけど、この状態で寝ちゃったら、顔面にスマホが落ちてくるしね。
「はぁ…暇だし寝よーと。」
先週に、ずっとハマってたスマホゲーがサービス終了しちゃって、最近暇なんだよね。
「何か起こってくれたら良いんだけどなぁ…。」
私がこんなことを言ったのが悪かったのかな?寝転がっている私のお腹の真上ぐらいに、丸い円盤のような何かが現れた。
「ふぇ?何これ?」
丸い円盤のような何かには、文字か記号のようなものが書かれていて、中心の方には綺麗な模様が描かれている。
これはまるでゲームで出てきた…。
「魔方陣みたい…!きゃっ、眩しいっ!」
魔方陣みたいなやつをしっかりと観察しようとしたら、急にピカッと白く光った。
結構眩しかったけど、数秒で目が見えるようになった。
すると、魔方陣から私の体がある下方向に向かって、何かが出て来はじめた。
それは肌色…薄橙色をしていて、まるで足のような形をしていた。
初めは指が出てきて、足の甲、足首、膝、太ももと順番に魔方陣からゆっくりと出てくる。
具体的には、2秒で1cmぐらいの速さ。
太ももが見えるようになるとすぐに、何か布のようなものが出てきた。薄い水色をした布は、スカートのように見える。キラキラとしていて、見たことがないような綺麗な生地。まるでシースルーのように透けているけど…シルクのような美しさがある。
そして、その謎の足とスカートだけでなく、もっと見えるようになってきた。何かの花をモチーフにしたような装飾に、胸の辺りには、綺麗な宝石のネックレスがされていた。ばら色をしている透明な宝石は、前に雑誌で読んだローズクォーツに似ている気もする。
そして、肩まで見えるようになった。
この人?は女の子みたい。でも…背中には半透明のちょうちょみたいな羽がついているし、サイズも20cmぐらいしかない。
そして、首が見えるようになり、いよいよ顔が見えるようになった。
私は、この女の子?の顔を見た瞬間に、ビックリしてしまった。何故なら、作り物のように綺麗に整った顔つきだったから。よく売ってあるフィギュアなんかよりもよっぽど綺麗で、美しかった。美人だけど、身長と合わさって、少し幼く見える。
要するに、すごく美少女ってこと。
その美少女ちゃんは、魔方陣から完全に出てきた。髪色は鮮やかなピンク色。目の色は、まだ目を瞑っているから分からない。
美少女ちゃんは、改めて見ると、ゲームに出てくるような可愛らしい妖精ちゃんだった。
その妖精ちゃんは、重力に逆らいながら、ゆっくりと降りてくる。そして、ぽよんっと私のお腹の上に降り立った。
重さは、あんまり感じない。重く見積もっても、スマホとそんなに変わらない気がする。
「あの、えっと…妖精ちゃん?」
私が声をかけると、妖精ちゃんがゆっくりと目を開いた。明るい緑色の目に、私の顔が写っている。顔だけじゃなくて、目もきれい…。
「$#%-<§«。」
「ふぇ…?」
妖精ちゃんが口を開き、鈴の鳴るような声がしたのは分かるけど、何を喋ったのかは分からなかった。日本語でも、英語でもないし…。
「|*-?/^?!@#%$*$)?=。」
また妖精ちゃんが何かを話したと思ったら、背中の羽が2、3回羽ばたいた。すると、妖精ちゃんの体がふわぁって浮いて、私の顔にゆっくりと近付いてきた。
「あ、待って…。」
どうやって浮いてるのかも分からないけど、急に近付かれるのは困る。さすがに怖いもん。
「え、体が動かないよぉ!」
体を起こして後ろにさがろうとしたら、私の体が全く言うことを聞いてくれなくなった。力すら入らない…!
「やだっ、来ないでっ…!」
妖精ちゃんが近付いてくる。怖いよぉ!
「#%-:'.=^。」
妖精ちゃんが何かを喋ったと思ったら、急に気持ちが落ち着いてきた。さっきまではあんなに怖かったのに、今は逆に心地よくなってきた。
「妖精ちゃん…何をするの?」
私の目の前で浮いている妖精ちゃんに話しかける。
「=¥}~$?%。」
私の言葉が通じているのか分からないけど、妖精ちゃんは私のおでこに近付き、そこに妖精ちゃんのおでこをくっ付けた。
すると、そのくっついた所が光った。
「きゃっ、またっ!」
今回はさっきより光が弱かったから、すぐに見えるようになった。
「あー、あー、これで分かるのかしら?」
「え、妖精ちゃんの言葉が分かるようになった!?」
「その反応は、ちゃんと通じてるみたいね。ごきげんよう、真由ちゃん。」
「なんで私の名前を知ってるの!?」
妖精ちゃんの言葉が分かるようになったと思ったら、私の名前を呼ばれた!どうして!?
「ふふっ、落ち着いて。」
妖精ちゃんがそういった瞬間に、また心が落ち着いてきた。あ、さっきのも妖精ちゃんが何かをやったんだね。
「はじめまして。私はフェアリーのエミリーです。真由ちゃんが思ってる通り、妖精よ。」
「あ、えっと…はじめまして。保木真由です。普通の14歳の人間です。」
「ふふっ、そんな自己紹介は初めてよ。」
妖精ちゃん…エミリーちゃんが笑ってくれた。あぁ、凄く可愛らしい。見てるだけで癒される笑顔だね。
「あの、エミリーちゃんはどこから来たの?魔方陣みたいなのから急に出てきて、凄くビックリしたんだけど…。」
「驚かせてしまってごめんなさい。私は異世界からこっちに転移してきたのよ。真由ちゃんなら、こう言えばだいたい分かるでしょう?」
「うん。この間まで遊んでたゲームみたい。」
先週サービス終了したゲームが、ちょうど異世界転移をした主人公のゲームだったから、なんとなく分かった。
あっちは、日本から異世界に行ってたけどね。
「というより、エミリーちゃんはなんで私の事が分かるの?」
さっきも私の名前を知ってたし、今も私がゲームをしていたこととゲームの内容を知ってた。
「それはね、私が真由ちゃんの記憶を覗いたからよ。」
「…え?それってつまり…。」
「真由ちゃんが小学3年生になってからお漏らしをしたことも、今日何回トイレに行ったかも、最近胸が成長しないのを悩んでいることも、全部見ちゃったわ。」
「うわぁ!うわぁ!!なんで恥ずかしい事ばっかり言うんですか!?」
エミリーちゃんは、クスクスと笑っている。うぅ…そんなに私をからかって楽しいのかぁ…。
「ごめんなさい。ついからかってしまったわ。真由ちゃんの記憶を覗かないと、言葉が分からなかったから、仕方がなかったの。」
「うぅ…エミリーちゃんってもしかしてS…?
えっと!なんでエミリーちゃんは異世界転移してきたの?」
「それはね、前の世界に飽きたのよ。」
「飽きたからって転移できるほど、異世界転移って簡単なの…?」
「いいえ、前の世界でも異世界転移を出来るのは数人しかいないわ。魔力を沢山使っちゃうからね。」
「へぇ~、そうなんだ。エミリーちゃんって凄いんだね。えっと、じゃあなんで私のところに来たの?」
「あ、それはね、真由ちゃんがフェアリーと契約する才能があるからよ。」
「契約?それに才能って…私は普通の中学2年の女の子だよ?」
「フェアリーと契約する才能に、年齢は関係ないの。それじゃあ、少し説明してあげるわね。」
「よろしくお願いします。」
「えーっと、つまり…フェアリーと契約するには、魔力を体内に持っている必要があるけど、この世界にはほとんど魔力を持ってる人がいないんだね。」
「それだけじゃなく、心もある程度綺麗でないといけないのよ。」
「へぇ~。でも、私は普通だよ?特別優しい訳でもないし。」
「ある程度って言ったでしょ?例えば、真由ちゃんの目の前に困っている人がいたらどうする?」
「困ってる人?うーん…人によるけど、話しかけるかな。」
「じゃあ次に、真由ちゃんは人を殺したりしますか?」
「え、そんな事しないよ!」
「そう、それがある程度の基準よ。人として当たり前の事を、当たり前に出来るかどうかってこと。」
「それじゃあ、いっぱいいるって事?」
「そうね、この国には多そう。でも…魔力を持っている人は、真由ちゃん以外にはいないわ。」
「おぉ…なんか嬉しいな。」
「これは誇って良いことよ。フェアリーの私と契約できるなんて、この国ではたった一人って事なんだから。」
エミリーちゃんが胸を張った。体が小さいわりに、胸が大きいね。羨ましい。
「そういえば、契約ってなに?」
「契約をすると、妖精に力を借りることが出来るの。分かりやすく言うと、魔法を使えるようになるわ。」
「え、魔法を使えるの!?凄いね!」
「その代わり、契約者の魔力を貰うけどね。契約をすると、死ぬまでそのフェアリーからは離れられない。そして、契約者は…。」
エミリーちゃんが、言葉を途中で切った。もしかして悪いことがあるのかな?
「契約者はどうなっちゃうの…?」
「フェアリーと契約をすると…契約者は100歳までしか生きられないの!」
「えぇ!そんな!…あれ、100歳?」
「そうよ。ちなみに、あっちの世界の平均寿命は115歳よ。」
「こっちの世界だと、平均寿命より長生きだよ。もう、変な言い方しないでよ…。」
「うふふっ、わざとよ。」
「もうっ!エミリーちゃんは絶対Sだよね!」
「さぁ、どうかしら?さて、真由ちゃん。私と契約してもらえるかしら?」
「私で良いならぜひ!」
「ありがと。じゃあ、跪いて、私の手の甲にキスをして。」
「え、キス!?それはちょっと、恥ずかしいなぁ。他の方法は無いの?」
「今はこれが1番なのよ。早くしないと、私の魔力が尽きちゃうわ…。」
「わわっ!エミリーちゃんの足が!」
急にエミリーちゃんの足が光の粒になって、どんどん消え始めた。
「私たちフェアリーは、体が魔力で出来ているの。この世界には魔力が少ないから、人から魔力を貰えないと、すぐに消えちゃうの。あと30秒ぐらいで、手も消えちゃうわ。」
「あわわ、大変だぁ!すぐに契約しよっ!」
私はベッドから降りて両膝をつき、エミリーちゃんの小さな手に、私の手を添えた。
「あ、キスは10秒ぐらい、しっかりとしてね。」
「分かった!」
私は優しく、エミリーちゃんの手にキスをした。
…なんだろうこの感覚。フィギュアみたいな小さな女の子の手にキスしてる今の光景は、誰に見られても恥ずかしい気がする。
あ、なんか意識してきたら恥ずかしくなってきた!
私は10秒経った瞬間に、口を手から離した。
「はぁ、はぁ、エミリーちゃん、これで大丈夫?」
「えぇ、これで契約成立よ。」
「でも、まだ足が消えていってるよ!?」
契約したはずなのに、エミリーちゃんの足がどんどん光の粒になって散らばっていく。
もしかして、間に合わなかったの!?
「あ、これ?これは魔法の演出よ。フェアリーは体を自由に消せるのよ。」
そういって、エミリーちゃんは全身を消したり、足だけ見せたりした後、元の状態に戻った。
「ふぇ?つまりどういう事?」
「最初から私は消えてなかったってことよ。確かに契約しないと、いずれは消えちゃってたけど、私並みになると、契約しなくても1年は消えないわ。それに、この世界にも魔力は沢山あるしね。」
「じゃあ…エミリーちゃんは私を騙したってこと…?」
「そういうことね。」
「なんで…どうして?もしかして、契約には何か副作用でもあるの…?」
「無いわよ。」
「じゃあ、何であんな嘘を?」
「あぁそれはね…私ね、いつか可愛らしい女の子を跪かせて契約するのが夢だったの。」
「え、何その最低な夢。」
「だって、こんなに小さな体の私に跪いて、手にキスをするのよ?自分より強い存在に服従を誓わせてるみたいで、凄く興奮するじゃない?」
「うっわぁ…エミリーちゃんってドSなんだね…。」
「あ、実はね、契約はフェアリーと人間が誓った時点で成立するの。つまり、私が真由ちゃんに契約しないか聞いた後に、真由ちゃんが返事した時点で、私たちは契約済みだったのよ。」
「じゃあさっきのやつは全部茶番だったって事じゃないですか!最低ですね!」
「えへへ、真由ちゃんったら怒っちゃって…可愛いわね。
ああ言ったら、真由ちゃんなら絶対にしてくれると思ったのよ。」
「エミリーちゃんってドSでド変態だね!うわぁ、なんか凄く後悔してきた…。」
「うふふっ、これから86年間よろしくね。」
エミリーちゃんは、凄くいい笑顔で私の顔の前を飛んでいた。
あぁ、絶対早まっちゃったよ…。
これは、こんな私たちのこれからの日常を描く物語です。
本日から、最低週1更新を目指していく予定です。
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お読み頂き、ありがとうございました!