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番外編 結成

柏崎駅から徒歩8分程度の場所、とても大きな敷地面積のその場所に学校はあった。


私立柏崎学園、大きな校舎と潤沢な設備が人気をよぶその場所は、これから俺が通うことになる学校だ。


ここでの3年間、平凡に過ごせればそれで満足だ__










ある日、部屋を掃除していると懐かしいものを発見する。アルバムに挟まれた写真、PSY部の部室で俺と葉月、千華、冬が写っている写真だ。


満面の笑みを浮かべる葉月、微笑む千華と冬、ぎこちない笑顔の俺。


「懐かしいな……」


その写真を見ると懐かしさとともにどこかからクスッとした笑いが込み上げてくる。



そう、あれは始まりの物語__






__柏崎学園に入学して数日が過ぎた。現在俺は困ったことに友達ができないでいた。それどころか話してすらないんじゃないだろうか。


……たった1人を除いて。


俺が視線をチラッと後ろの方に向けると、赤髪緑眼の美少女が楽しそうに周りの人と話していた。


緋色葉月、入学早々人気になった俺の幼なじみだ。


なにせ彼女はルックスがよく、コミュニケーション能力が高い。人気が出るのは当たり前であった。


だが俺は、とある事情で友達のつくり方がわからない。入学式後の自己紹介も戸惑ってしまったし。


これ友達つくるのって無理なんじゃないだろうか?これは平凡じゃない気がする。


そうだ、葉月を参考にしよう。どんな話がウケるのかとかを全く知らないからな。


「へぇーそうなんだ。私はよくあそこに行くよ。駅の中にある……」


うわぁ学生っぽい。駅の中だから雑貨店とか化粧品売り場とかかな。


「ペンギンバンド専門店」


葉月の言葉に思わず体がガクッとなって前に倒れ込みそうになる。


なんだよそれ! どこに需要あんだ!? てかお前どこ行ってんの!?


「へぇーすごいね」


それでも会話は続いていた。ますますわからなくなってきた。


この不安はいつ消えるのかわからなかった……



放課後、今日はなにも予定がないがどうしよう……担任の先生がそろそろ部活動決めろとか言ってたっけ。


俺は部活動がまとまった紙と、校内地図の2枚を取り出しそこに視線をおとす。


部活ってなにやればいいんだろ……


帰宅部という選択もありだが、それってどうなんだろう。友達つくる気なくないか?


(でもバイトとの兼ね合いもあるからできるだけ忙しくないのがいいな)


となると文化部になるので候補は絞られてくる。


「和人、部活決まった? 」


考えていた頭を一旦切り替え、声の主へ振り向く。


俺の後ろの席である葉月はニコニコしていた。


「まだだよ、全然決まらん」


「そっか、私もだよ。だからさ、一緒に見学しない? 」


葉月からの誘い、それ自体は嬉しいのだが問題もある。


「なんで俺なんだよ? もう友達もできたんだからそっちと行くって選択肢もあるだろ? 」


「それは私の勝手。和人と回りたいからね」


「……誤解されるぞ」


「大丈夫! 幼なじみって言ってあるから。変なことにはならないよ」


「しょうがない回るか」


「うし。これで多少無茶しても許される」


葉月は小さくガッツポーズして聞き捨てならないことをこぼす。


「許さないからな」


「……はい」


ひとまずしっかり威圧しておき、そこから学校中を歩き回る。


「和人はどこ行きたいとかある? 」


「文化部だな。特に家庭調理部に行きたい」


「それ、ただ単に料理したいだけじゃ? 」


「負担が軽そうだからだよ。そういう葉月はどこ見学したいんだ? 」


「私バスケ部行きたい! 」


「そっか」


「反応薄いなー」


「想像通りだからだよ。中学もやってたし、やるだろうとは思った。実際上手いし」


「えへへ、ありがとね。でも高校でもやるかは微妙かも」


「なんでだ? 」


「色々あるから」


「……」


その一言でわかってしまった。あのことまだ気にしてるのか。


「でも見学は行くよ、もちろん」


にへへと笑う葉月。彼女のバスケが好きって気持ちは本当だし、フォローできるところはしないとな。


まずは、バスケ部から見学する。体育館は3つあり、それぞれバスケ部、バレー部、バトミントン部とわけられている。


バスケ部の使っている体育館に着くと、男女どちらもが練習を行っていた。見学者も多く、人気なのがひと目でわかった。


「おぉーやってるね」


葉月は目を輝かせて中へ入ろうとして__止まった。


「……やっぱり駄目だね。他の見よっか」


なぜ?の答えを探すのに理由はいらなかった。ある人物を見つけてしまったからだ。やっぱりいたか……


「だな、バレー部見に行くか」


「あっまさか和人そういう目的で? 」


葉月は片手を口に当てて、妙に驚いた顔をする。


「お前がどういうこと考えてるかわかるから言うけどな、違うわ!」


「ですよねー」


わかってるなら言わないでくれ。


そそくさとバスケ部の体育館を出ると、バレー部の体育館へと向かう。


「てかなんでバレー? 普通に家庭調理部行けばよかったんじゃ? 」


「葉月のことだし運動部見たいだろうなって思ったから。あとバレーとバスケって似てるから。3文字だしバだし」


「似てないよ! 文字で判断しないでよ! 」


プンスカ怒る葉月。アホ毛は怒っているのを表すためにブンブン揺れていた。


「そんなこと言ってる間に着いたぞ」


「あっだね。早速入ろう」


バレー部の見学には数名来ていた。バスケ部よりは少ないけど。


「あっ、あの子可愛い」


葉月が指さす先には、2人の美少女がいた。1人は茶髪で首の辺りで髪を1本にまとめている優しそうな人で、もう1人は朝日に輝く雪のような銀色の髪をショートに切った背の小さい人だ。


どちらも人目をかなり惹いている。


「ねぇねぇ2人とも、もう入る部活決めた? 」


葉月はいつの間にか2人に接近して話しかけていた。


「いや、決めてないよ」


茶髪の子が答える。銀髪の子も同じように首を横に振る。


「私は緋色葉月、よろしくね。えっと1年C組だよ」


「私は雪原千華、1年B組だよ。こちらこそよろしく」


茶髪の子は雪原さんというらしい。


銀髪の子はスマホをいじり始めた。そして葉月に見せた。


「へぇー夢宮冬さんか。じゃあ冬ちゃんだね」


どうやら夢宮さんらしい。


「あーあと、あれが私の幼なじみの柊和人、友達のつくり方がわからない人」


あいつなんてこと言うんだ! 初対面の人にそんなこと言ったら苦笑されるわ!


「でもいい奴だから仲良くしてあげて。あっ、私とも仲良くしてね! あと連絡先交換しよ! 」


葉月の元気な声は数分間止むことはなかった。



「よろしくね柊くん」


「……(ペコり)」


「うん、よろしく、雪原さんと夢宮さん」


その後、なぜか一緒に行動することになり、現在とてつもなく肩身が狭い。


(周りの視線が痛い……)


周りからの好奇と妬みの視線を受けて、正直きつい。


「それじゃあここから文化部に行こう。まずは家庭調理部ね」


葉月の先導で見学を再開していく。


家庭調理部ではかなりの圧の勧誘を受け、その他の珠算・電卓部や写真部、アニメ部なんかでは葉月たちが熱烈な勧誘にあっていた。


「いやーびっくりした」


「3人とも入ってほしいほどの容姿してるからな」


「和人だって家庭調理部であっつい勧誘受けてたじゃん」


「それは料理が少しできたからだよ」


「ちょっとじゃないでしょあれは……」


俺があそこで作ったのは和食のフルコースだ。(材料的に作れるものだけだが)


でもあれはレシピを知ればすぐできてしまうものなのだが。


「和人ってちょっとズレてるよね」


「うっ……」


幼なじみから手痛い攻撃を受けた。平凡な人生の為にも少し直さなきゃ。


「千華と冬ちゃんは入る部活決まった? 」


「うーん私はまだ」


「……(決まってないと首を振る)」


「そっか〜ひとまず家に帰って考えようか」


ということで解散になる。俺は自転車を取りに行き、家路につく。



自転車を漕いで数十分、大きな日本家屋に到着する。ここが俺の家だ。


「ただいま」


玄関を開けてそう呟く。中は真っ暗で、誰もいない。


それはそうだ、だって家族はもう全員いないのだから。母親は病死、父親は戦死してしまっている。


だから俺は1人で生活している……


「ただいま和人、ちょうど玄関でばったりだね」


はずなのだが、なぜか幼なじみである葉月も同居している。彼女にも色々と事情があるため、特に追い出したりはしない。


「おかえり葉月。ご飯すぐに準備しちゃうな」


俺たち2人の生活は別段悪くない。お互いにお互いをわかっているため、心地よい距離感で過ごせる。


「ねぇー和人、私思ったんだけどさ、」


「なんだよ? 」


「こうなったら私たちで部活つくらない? 」


「は? 」


包丁を持つ手が止まる。どういうことか一瞬わからなかった。


「だって私たちが入りたいって思うのがないんだもん。だったらつくればよくない? 」


「……どういう部活つくるんだよ」


「んーと、今のところはね……人助けしながら自由に過ごす部活」


「ボランティア部みたいだな」


「そことはかなり違うよ。だって部員は私たちでスカウトするんだもん」


「えっ? 」


その言葉を聞いてハテナマークが増えていく。


「つまりね、部活に入れるのは私たちと同じ能力者。私たちにとって一番馴染みやすい人たちと活動していこうって部活なんだよ」


「なるほど……」


葉月の考えはいいと思えた。できるできないは別として。


能力者同士ならお互いに話しやすいし、共感できるところも多いので、しっかりとした関係を築けるだろう。


「でも柏崎(うち)に能力者なんているのか? 」


「うっ……」


一番の疑問はそこだ。うちの学校は部活を新しくつくる場合、4人以上の人数が必要となる。俺と葉月がいるが、最低でもあと2人必要だ。


「そこがやっぱり問題なんだよな……でも千華と冬ちゃんは入れたい。能力とか関係なく」


もうそんなに仲良くなったのか。ほんとすごいな葉月って。


「それなら明日聞いてみるしかないだろ。入ってくれるんだったら同好会からスタートできるし、ひとまずは問題ないだろうから」


「だね、明日聞いてみる! ていうか今聞く! 」


葉月はそう言うと、スマホをいじり始める。そっか、連絡先交換してるから今聞けるのか。


「どっちも考えとくだって! 早速明日、職員室で用紙貰ってこよ」


「行動が早いな」


俺は2人が駄目だった時のことを考えておこ。どうやって能力者を見つけるかが問題だ……


その夜は、いくら考えてもその答えは出てこなかった。



次の日、昼休みに葉月は俺を連れ、人気のない場所で、雪原さんと夢宮さんを待っていた。


「あっ葉月、お待たせ」


2人が来ると、葉月は勧誘を始める。


「昨日lineで話したとおりなんだけど、2人とも、入ってくれる? 」


「その返事の前に、ひとつ確認させて。その部っていうか同好会はなんでつくろうと思ったの? 」


「それは……あの部活の中でっていうのはなにか違くてさ。私と和人が安心して活動できる場所って限られてるから、そういう場所をつくって自由度の高い活動がしたいんだよね」


葉月は神妙に語る。本心を言うのはいいんだけど、能力持ってることバレたりしないよな?


「ごめんなんか変なこと言ってたよね!? さっきのなし! 」


「ううん、さっきので心は決まったよ」


雪原さんは優しく微笑む。夢宮さんもクスリと笑う。


「私たちも入れてほしい。その場所、一緒につくらせて」


「えっ、いいの!? 嬉しいよありがとう!! 」


雪原さんの快い返事に葉月は飛び上がりそうなほど嬉しがる。


「私たちもそういう場所が欲しかったしね……能力者だし」


「「へっ? 」」


雪原さんの突然のカミングアウト、俺と葉月は同時に固まる。


えっ……能力者? 今そう言った? えっ……?


困惑する俺に雪原さんは改めて説明してくれる。


「私と冬は能力者なの。私がテレパシーで、冬が瞬間移動と予知、少し実演した方がわかりやすいかな」


雪原さんが薄く微笑んだ瞬間、

(2人とも聞こえる? )

頭の中に雪原さんの声がながれてくる。


(えっすごい、グループ通話みたい! )


(頭の中で会話できるってすごいな。便利そう)


(そうでもないよ。周りの声は全部拾っちゃうし、聞きたくない声も聞こえちゃうから)


それはかなり大変そうだ。静かな時間はあまりなさそう。


「能力上、色々聞こえちゃうからさ、葉月の心の声も聞こえてたんだよね」


「あーだからすんなりカミングアウトしたのか」


葉月は手をポンっと叩き納得する。


この後見せてもらった冬の能力、瞬間移動はとてもすごく、便利そうだと思ったと同時に使い方の難しさも感じた。


移動の際、座標を使うので相当難しく、咄嗟の移動は常人にはできなさそうというのと、移動先に障害物があったら潰れてしまうから安易には使えない。


人を選ぶ能力であることは確実に言えるだろう。


「よしっ書けた! じゃあ生徒会の承認を貰いに行こう」


「だな、みんなで行こうか」


「……(首を縦に振る)」


「そうだね、ちょっと楽しみになってきたかも」


俺たち4人は生徒会室を目指して歩き始めた。



「失礼します! 」


生徒会室に着くなり、葉月は勢いよく入室する。もう少し落ち着いてほしいが、彼女の嬉しい気持ちはとんでもなく伝わってくるので、今日ぐらいは言わない方がいいだろうな。


「そこの1年生、ここで騒ぐな! 会長が仕事に集中できないだろうが!! 」


上級生である男子生徒に一括される。これはしょうがないな。


「すみません! 」


「あーいやいいよ大丈夫。湊くん、あんまり1年生を怖がらせちゃ駄目だよ」


「ですが会長が……」


「私はちょっと大声出されたぐらいじゃ集中切れないよ。それに、なにか用があるから来たんだろうし……生徒の対応も仕事だよ」


「……すみません、俺が間違っていました」


その男子生徒は申し訳なさそうに頭を下げ、下がる。


「ごめんね、うちの副会長ちょっと厳しいから、怖がらせちゃったね」


会長と呼ばれた女子生徒は人あたりのいい笑顔を浮かべながらこちらに近づいてくる。


長くのばした黒髪を三つ編みにし、眼鏡がこの人の知的さを底上げする。優しそうな顔立ちの美人がそこにはいた。


「私は鈴木耀音(すずき あかね)、入学式で見たと思うけど、印象に残ってればいいな」


「印象に残ってますよ! だって話が上手いですし綺麗ですし、凄かったです! 」


葉月はいつもの二割増で元気だ。そういえば入学式の後、会長のことずっと話してたな。


「よかった〜覚えてもらえなかったらどうしようってちょっと不安だったから解消されたよ」


「会長は目立つ存在なので当然です! 」


「あっうんありがとね湊くん」


さっきの男子生徒が声を出す。ずいぶん信頼してるんだな。


「それで、今日はどんな用? 」


「はい、実はこれを承認してもらいたくて」


葉月が同好会の申請書を差し出す。会長は申請書を隅々まで確認する。


「ふむ……ふむ……うん、不備はないね。承認の判子あげるからちょっと待ってね」


「やったね和人! 私たちの部活(同好会)ができるよ」


「先生の許可も必要だからまだ安心はできないけどな」


なんというか楽しみな気持ちは同じだ。このまま何事もなければいいんだけど。


「そういえば、顧問の先生と教室はどうしたんだ? 」


「それなら心配なし! 担任の五十嵐先生にしといた。教室は特別棟の2階にいい感じのところがあったからそこにした」


「あの先生こういうの受けるようには思えないんだけど」


「押しまくったらしぶしぶ了承してくれた」


葉月の被害者が人知れず出ていた。ご愁傷さまです五十嵐先生。


「あとで部室のレイアウトを考えよ? 千華と冬ちゃんの希望をどんどん入れよう」


「嬉しい、あとでlineで送るね。冬と一緒に考えないと」


俺よりもセンスのある葉月たちに任せた方が安全だろう。華やかになりそう。


「はい承認しました。あとは先生の許可もらってね。認められたら遊びに行かせて」


「はいもちろんです! いつでも来てください! 」


会長から判子を貰うと、次は職員室へ行く。職員室では会長の許可を貰ったことを伝えると、あっさりと判子を貰えた。そこら辺は自由なんだな。もっとグダグダするかと思った。


で、そこらか早速部室へと向かう。特別棟2階のとある一室、ここが今日から俺たちの部室だ。


「広いな」


「ここって前は職員の休憩室だったんだっけ? 」


「そう、でも使われなくなったから水道だけ残してさっぱりしてるんだよ。ここにテレビとか置きたい! 」


「部費が吹っ飛ぶぞ! 頼むからやめろ! 」


葉月は口を尖らせながらも引き下がる。そもそも、まだ部費とか貰えてすらいないんだからなにも置けないんだが。


「それじゃあ学校でいらなくなった家具を貰って、私たちで綺麗にすればいいんじゃない? 」


「あっそれいい! 」


雪原さんの案に葉月は体全部でのっかる。


「あとは部費を貰ったら買っていくってことでどう? 」


「うん、そうしよう! それじゃ早速部活を回って使えそうなやつ貰ってくる! 」


葉月は俺たちを置いて飛び出して行った。


「ちょっと待てよ、1人じゃ足りないだろうから俺も行くよ! 」


俺は葉月を追って外に出る。




ここから部活が、高校生活が始まった。


程なくして、葉月、千華、冬が新聞部から取材を受け、それぞれタイプの違う美少女ということで話題になった。


そこから彼女たちと関わりのある俺が男子たちにたまに絡まれてしまうことになるのだが……


1ヶ月ほどはとても忙しく、部室の内装を充実させたり、部費を稼ぐために活動実績をあげようとしたり、ボランティアや悩み相談を行ったりと……始まりから怒涛のように時間が流れた。


そして、

「はい撮るよー」

ちょうど落ち着いた頃、葉月の提案で集合写真を撮ることになった。


「冬、ちょっと近くないか? 」


「……(そんなことないと首を振る)」


(あんた冬にベタベタしないでくれる? )


(不可抗力なんだけど)


この頃にはもう冬に好かれ、千華は脳内で絡んできてたっけ。


「さっ、笑って笑って」


あの時に撮った写真は大切な宝物になった。かなりの時間が経った今でもこの写真は大事にしまってある。


これを見る度学生の頃の思い出が蘇る。決して楽しいことだけではなかった。辛かったこともあったし、追い詰められたこともあった。それでもみんなが支えてくれたからここまで来れた。


「お父さんなにしてるの? 」


「ちょっと懐かしいのを見つけてさ、昔を思い出してた」


俺にも可愛い子どもができた。それも3人も。


今は妻と子どもたちのために頑張る。あの頃の思い出があるから辛いことも乗り越えられる。


「どんなの? 気になる」


興味津々になる子どもに対して、弾む言葉で話し始める。



何年経っても決して色褪せることのなく、永遠に生き続けるその思い出を……


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