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Get Over Destruction  作者: 言ノ葉 語
第1章 ゲットオーバー・ディストラクション
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少し遅れた自己紹介

 秋隆教授による突然系イベント『質問タイム』は、詩歌氏の涙によって無事に閉幕。そのまま午前中の授業に入り、ようやく昼休みとなった。


(初日から失敗するなんて……)


授業中は教室内に、常に微妙な空気が流れていた。


(たぶん私のせいだよね……いや、私しかいないか……)


気持ちは完全にブルー。おかげで今日の授業内容が、まったく頭に入ってこなかった。


(もうこの学校で友達、できないだろうなぁ……)


そう考えていたのだが……


「おーい雨宮ちゃん、一緒に飯食おうぜ飯!」


クラスのムードメーカーこと九弦は、何事も無かったかのように話しかけてきた。


「え、え? え⁉」


「あ、私も食べていいですか? たぶん一人でそこのバカを相手にするとひどく疲れますよ」


「なんで人を厄介者みたいに言うんだよ⁉」


「本当にいいんですか……?」


 睨み合う二人に、詩歌は嬉しさと不安の混じる声で訊いた。すると二人は揃ってキョトンとすると、


「当ったり前だろ! 俺たちはもう同じクラスなんだからさ!」


「そうですよ、まあこの人は、知能指数的に同じ人間と思えないのはわかりますけどね」


「……なんで今日のお前はそんなに俺に冷たいわけ? もう少しで泣きそうなんだけど俺」


「さーて、なんのことでしょうかねぇ」


「テメェ! ニヤニヤしてるってことはわざとだろ!」


「あ、あの……」


 先程同様、二人のやり取りについていけなくなる詩歌。


 すると、そこに、


「あら、じゃあアタシも一緒に食べていいかしら」


 昼休みが始まってから若干不機嫌だった、夏音が来た。


「お、夏音! いいぜ、一緒に食べようじゃん!」


「ようやく機嫌も直りましたか。海斗さんに昼食の誘いをフラれたときは、あれだけしおらしかったのに……」


「九弦、落ち着いて深呼吸を三回。雨宮さんが圧倒されてるわ。それと佑夏、アンタは昼食の後、覚悟してなさい」


 すると九弦は律儀に深呼吸を始め、佑夏はこれからの未来を想像して震えだした。


 そしてそんな二人を無視して、夏音は詩歌の方を向く。


「……さっきはアンタの自己紹介で終わったからね。今度はアタシらが自己紹介させてもらうわ。稚羽矢夏音です、改めてよろしく、雨宮さん」


「俺も俺も! 嵐ヶ原九弦だ、よろしくな!」


「白石祐夏です。さっそくですが、何か面白いニュース持ってますか?」


三人から自己紹介をしてもらった詩歌は、慌てて立ち上がった。


「こ、こちらこそ、よろしくお願いいたします!」


「おう! じゃあ飯でも食いながら、このクラスのルールを教えてやるよ」


そう言った九弦の顔には不適な笑みが浮かんでいた。


「ルール、ですか?」


「そう、ルールだ。例えばな――」

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