第九十九話 ああ言えばこう言う
「じゃあ、またこうして会う機会を用意すればいいんだよね!?」
ケインが喜んでいる。言葉の理解が足りないようだ。
「ケイン様、違います。簡単に言えば、接点もない私たちがこうして会うのはおかしいので、止めて頂きたいのです!」
「俺たちは幼馴染だろ。身分なんて関係ない。今まで会えなかった時間が長かったから、いろいろ積もる話もある。なにがいけないんだ?」
笑顔であるが、最後は含みのある声でグランは言った。
「幼馴染?違います!他人です!」
「・・アリミナールは子供の頃から頑固だな~。」
「こんなに否定の言葉を並べても怒らないなんて、どういう神経しているんですか!?」
つい心の声を叫んでしまった。王子様相手になにしているのだろうと我に返る。
「んっ、んっ!失礼しました。お三方は知らないかもしれませんが、女性人気がとても高くいらっしゃるとか。自分たちが許しても、周りはそれを許してくれないと思いますが。」
これはリリーダにも言えるため、本当はあまり言いたくないのだが。
「じゃあ、結婚でもする?」
そう言ったグランに対してケイン、ガイは同時に立ち上がっていた。会話には参加しないが、リリーダも抗議の視線を送っている。
「絶対お断りです!」
冗談でも言ってはいけないことがある。この会話はいつかのあの言葉のやり取りを思い出す。
3人は子供の頃からあまり変わりがないように感じる。人の話しを聞かないところが。ここまで頑固に近づこうとするには理由があるのだろう。私が昔話したことと関係するのだろうか?
「グラン様、ケイン様?私が子供の頃に話したことを気にされているのですか?それに対してこの行動をとっているのでしたら、間違いです!」
「アリー、僕らはやりたいことをやるだけだよ。重要なのは今何をするかだと思う。君は重要なことは何も話してくれないけど、これだけは言える。何も当たってないよ。」
これはリリーダの事を言われたのだろうか?ガイとリリーダがいるこの場では追及は出来ない。
「はぁ、私には計画があります。それさえ邪魔をしないのであれば、もうあなたたちに言うことはありません。子供の頃から変わらないのなら、私が何を言っても聞かないつもりでしょうしね。」
もう半ば諦め半分でアリミナールは答えた。リリーダのほうを見ると、やはり心配そうにこちらを伺っている。




