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第九十八話 友達だからこそ聞ける頼みがある

大きなため息をついたアリミナールは、諦めたように答える。

「しょうがないなぁ、リリーダちゃんのために特別だよ?」

なんとなく企みがあることは理解していたが、前回私のほうが企んで攻略対象者たちと会わせたこともあるので強気に出ることもしなかった。

「アリミナール様!ありがとうございます!」

この笑顔はなにやら安心している笑顔に感じた。何かしらのアクションを起こす気ではないようだとアリミナールは判断した。


「もうお話しは終了したかな?」

グランはそう言うと軽やかにアリミナールとリリーダを席へ案内した。この美少年の笑顔が自然すぎて怖い。

紅茶はケインが用意してくれている。王族のであるはずの二人はなぜか手慣れているようだ。

珍しく、ガイはとても幸せそうな笑顔をして席に座っている。このようにみんなが揃うと、子供の頃を思い出しそうになる。

「アリミナール!昔を思い出すね!」

ガイと思考が重なったようだ。コクリと頷いた。

「ガイ様、先日はお話しする時間もなかったのですが、お身体は大丈夫なのですか?以前保健室でお会いしましたよね?」

「ああ、たいしたことないよ。アリミナールこそ大丈夫だった?」

「それは良かったです。私もすぐに良くなりましたので。」

ガイとの会話中、グランとケインはなにやら言いたいことがあるような素振りをしたが、何も言ってこなかった。

隣に座っているリリーダは心配そうに私のほうを眺めている。私の認識が正しければ、どうやら会話に参加する意志がないようだ。

紅茶を準備し終わったケインが席に着いた。

「まずは、アリミナールに伝えたいことがあるんだ。」

そう言いだしたグランのほうにアリミナールは視線を合わせた。

「逃げないでほしいというよりも、避けないでほしいが正しいかな?」

困った笑顔でグランは話していた。

避けた覚えはない、というのが正しいか。確かに深く関わりたくないという意味では正しい指摘と言っていい。いろんな分子があって、私の知る初恋レディから遠ざかっていることはわかるが、それが攻略対象者たちに近づいていい理由には足りない。これらを説明するのは難しいな。

「避けたという表現は正しくありません。私は身分をわきまえているつもりです。王子で在らせられるお三方には、関わる機会がないのが普通ではないでしょうか。」

とても正論を投げかけたと自負している。


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