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第八十九話 主人公は鉄壁の壁

「話しが見えない。悪いが俺はもう行く。」

そう言ったのはナリク・グルテンだった。他の4人に背を向けて去ろうとしていた。

「君、待ってもらっていいかな?」

グランが声で止め、ケインが肩を掴んでナリクを引き留めた。

「なっ、なんだよ?俺はなんも関係ないだろ。」

「まだこの前の話しの続きを聞いてなかったよね。ナリク・・だったね?アリーに何か言われなかった?」

「はぁ!?あいつとはこの前会ったばっかりで、知らないやつだ!」

それを聞いてナリクの肩に腕を回してしたのは、クローだった。

「その割には随分気に入られてるんだな?さっきは抱き着かれてたし。」

「あの女が勝手にやったことだろ!可愛いとかバカにしやがって!」

クローの腕を薙ぎ払い、ナリクは脹れている。ナリク本人は不機嫌な様子だ。


しかし、ナリク以外の4人の心が今一つになった。


『『『『こいつのどこが可愛いんだ?』』』』


攻略対象者たち5人が集まり、会話する様は得てしてとあるご令嬢方には仲睦まじく会話しているようにしか見られない。そう、乙女フィルターが作動されているようだ。


誰かに見られていると感じた5人は、そのまま自然解散となっていた。


昼食時間が終わりの合図を告げ、リリーダは物凄い速さで食事を済ませている。その姿を隣でアリミナールは見ていた。そして、すぐにクラスの生徒に連れて行かれるリリーダを手を振って別れを告げた。こんな大雑把な主人公がいてもいいのだろうかと疑問が浮かんだが、クラスにほとんどいなかった様を知っているため、自業自得なんだろうと納得していた。リリーダがいなくなれば、アリミナールには静かな時間が訪れる。

ふと、一人になると静けさを感じ寂しくなってしまうことに少しの不安を感じてしまった。だが、本来アリミナールという人物に友達と呼べる存在などいなかったと思い出す。

アリミナールが寂しいと感じたのは一瞬であった。なぜなら、リリーダがいなくなるとクラスの女子生徒が近寄ってきた。わらわらと数人が私の顔をみている。クラスの生徒の競技も開始しているため、他の生徒は誰もアリミナールたちを気にしない。見覚えのあるいかにも気品あふれるお嬢様であろう女子生徒がアリミナールに近寄る。

「アリミナール様、あ~ん!」

笑顔でお菓子を差し出され、アリミナールのおもちゃ時間が再びやってくる。


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