第八十八話 妹属性のあの人はまだ出番ではありません
「イケメンって何ですか?」
リリーダは、アリミナールに質問してきた。
「知らないならいいの!優しい人がご飯くれただけ。」
「アリー!待ってください。さっきの人はなんですか?誰なんですか?」
少し焦ったようにケインが聞いてきた。
「好きなんだってさ。」
とアリミナールが話を続けようとしたら6人に邪魔された。
「今すぐ抹殺してきます!」とリリーダが。
「なんと言いましたか?」笑顔に陰りがみえたグランが。
「告白されたんですか?」眩しい笑顔が消えたケインが。
「・・許さない。」少し怒ったようにガイが。
「わぁ~誰がそんなことを?」ニコニコと変わらずクローが。
「はぁ!?」驚いたナリクが。
「小さいものが好きなんだって。妹に似てるって言われて、ご飯くれたの!優しい人だよね。」
同時に6人から言われたためアリミナールは、誰の言葉も聞き取れていなかった。しかし、6人からの視線は感じた。
「その人物危険です!絶対にアリミナール様に気があります!」
「え?ぷっ!あははっ、そんな訳ないです!ないない!リリーダちゃんは本当に不思議なこと言うな~。この学園にいる限りそんなの絶対ないですから!」
そう、この学園にいる限りアリミナールである私を好きになる人は現れない。アリミナールじゃなくても、この学園のほとんどが王族とかお金持ちだから、許嫁とか絶対いるからね。私たちが異質なだけだと思う。大丈夫、リリーダの邪魔はしないって決めてるからね。誰でも好きな攻略対象者を選んでね。
「それより、皆さん昼食は?もうそろそろ午後の部が始まりますよ?」
そのアリミナールの一言で放送が流れる。どうやら、昼食時間は終了したようだ。
「アリミナール様!急いで昼食を取りに行きますよ!」
リリーダは攻略対象者たちを置いて、アリミナールを引っ張ってその場から去っていった。
ガイは引き留めようとしていたがグランに止められた。
「・・なぜ止める?このままだと学園に来た意味がない。アリミナールと話しさえもできない。」
「アリミナールのせいもあると思いますが、あのリリーダ・キャラベルという子は要注意が必要だと思いますね。」
「兄さん、あいつ邪魔。アリーの近くをいつもちょろちょろして。出会いからして最悪だった。」