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第八十三話 争奪戦、悪役令嬢のターン

使用人の仕事は速い。テキパキと仕事をそつなくこなし、後ろに下がっていった。


アリミナールは周りを見渡す。ああ、夢にまでみたあの光景、攻略対象者と主人公の全員が揃うなんてなんて地獄。いえ、なんて素敵なんでしょう。私が悪役令嬢じゃなければ、この状況を大いに楽しんでいただろう。ここに全員を集められたのは奇跡に近いかもしれない。ゲームが狂っている証拠かな。それでも私は確信していることがある。運命はいずれやってくるに違いない。


「ふふ、ここからは私のターンです。」

そんな独り言を言っているとリリーダが聞いてきた。

「アリミナール様、この方達はどなたなんですか?」

「はぁ?えっと、え?知らないの?」

「存じ上げません。」

主人公が攻略対象者を認識してないってどういうことなんだろう?って待て。クローはさすがに知ってるだろ。

「う~ん。そう言われると私もよく知りませんね!」

笑顔でそう返答するとすかさずツッコミを入れられた。

「アリミナール?それはさすがに失礼じゃないかな?俺たちは子供の頃からよく遊んだじゃないか?」

わなわなと震えながらグランがそう言い放った。

「ですから、これから知ればいいのです!リリーダちゃん、彼らのことは彼らから直接聞いてください。」

「え?」

そしてその言葉でアリミナールは立ち上がる。7人の近くに近寄ってくる人影が現れた。


「お~い!アリミナールさんお待たせ!」

彼はアリミナールとクローの担任教師だ。

「遅くなってごめんね!もう準備できたよ。」

「アリー?どこか行くんですか?」

「すぐに戻ってきますね。」

そうケインやみんなに言い残し、アリミナールは担任とその場から去っていった。


残った6人は動かない。

リリーダは、誰の目にもわかるように不機嫌な状態だ。

「あなたたちは一体なんなんですか?アリミナール様は、どうやらあなたたちのことを警戒しているようです。これ以上私たちに近づかないでもらいたいです!」

「お、おい、リリーダ!ここには王族の人だっているんだから、言葉には気をつけろよ。」

クローが声をかけるがリリーダは、止まらない。

「アリミナール様の敵は私の敵!」

「君さ、いつもアリーの近くにいるのに気づかないの?僕ら別に嫌われてなんていないけど。」

「あなたこそ、嫌われてるのに気づかないの?」

ケインとリリーダは睨みあっている。


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