第七十四話 世界は変態だらけ
急いでいたアリミナールは簡単に説明することにした。
「昔、迷子の男性を部屋に入れたことがあるんですが、襲われたと勘違いしたのか家が全壊したことがあるんです・・。ということで急いでください。私が注意を引き付けます!」
そう言い残し、私は扉のほうに声をかけることにした。
「リリーダちゃん?」
「アリミナール様!熱が出たと聞きました!私の水魔法を使ってすぐに治してあげますよ!そのために急いできました!」
「そ、そうなのね。ちょっと待っててね、今開けるわ。」
3人が階段を下りていることを確認してから急いで窓を閉めた。そしてアリミナールの部屋の扉を開ける。
ガチャ。
「気持ちは嬉しいけど、もう熱は下がったみたいなの!ありがとう。」
「アリミナール様!今日1日は本当につまらない日でした!」
ギュッツとリリーダは抱き着いてきた。そして核心に迫る。
「この衣装はどうされたんですか?」
しまった!着替える時間まで考えてなかった。
「あ、新しい服よ。いつか、リリーダちゃんと町に出かける時のために買ったのだけど、嬉しくてつい着てしまったの!」
「なるほど!てっきり、一人で町に出かけてしまったのかと思いました!」
ああ、主人公の勘が怖い。
ふとアリミナールは昔のことを思い出していた。
魔法の訓練のためにノイシー先生とリリーダ、私と3人で過ごしていた時のことだ。国によっては、化け物、守り神、兵器としての利用価値があるため、魔法の特異体質は狙われていた。特に私はお嬢様ということもあり、ノイシー先生が外出を禁止したり、町へ行くことも制限していた。この世界にはロリコンが存在するからだ。
いろんな町を行き交う中、狙われることが多かった。そのため、リリーダにトラウマを植え付けてしまったことがある。そんなこともあり、買い出しはノイシー先生とリリーダが出かけることが多かった。その日も、二人は出かけており、アリミナール一人で留守番だった。
田舎町のため、人通りの少ないところではあったが、一人で訓練をしているとアリミナールより2~3歳ほど年上の人が迷子になっていた。アリミナールは町まで案内出来ないため、二人が戻るまで家の中で待つように伝えた。それが危険なこととは知らずに。