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第六十六話 悪役令嬢逃亡計画

誰もが一度はやりたいことだと思っている。私だって実際にやるのは初めてだけど、学生のロマンだよね。いや、そんな大々的なものじゃないよ。私がやるのはただのサボり。かわいいくらいでしょ?

私のミッションは簡単。いかに、きれいサボるかだ。どんな時でもどんな場面でも通用するもの、それは仮病である。学生生活において一番罪を逃れられるサボりといえばこれだよね。幸い、仮病はこの私、アリミナール・ブラックレスには容易なのだ。

「ふふふ、恐れおののくがいい、魔法習得の過程で仮病を意のままに操ることが出来るのだ。私は、これすなわち最強!」

私でも自分がバカなことしてるな、とかバカなセリフ言っているなとか思っているよ。うん、知ってる。いいの、まだ私学生だし。

明日の作戦決行に向けて早めの就寝をすることにした。サボるためには体調管理って大切だと思う。


作戦決行日、いつものようにリリーダはアリミナールを起こしにきた。リリーダに仮病でも、病気でもバレようものなら、恐らく自分も休むというに違いない。リリーダにも休まれてはサボることが出来ないからだ。今はまだその時ではないのだ。

授業開始時は注目されてしまうため、もっとも安全なホームルーム終了時に先生に声をかけようと思う。

「先生、あの。」

ふふ、すでに魔法にて体温上昇済み。

「どうしましたか、アリミナールさん?あら、顔が赤いですね。」

そういって先生は額に手を伸ばす。このクラスの先生は男性であるが少し中性的な人だ。

「熱があるみたいですね。」

「はい。」

「一人で保健室に行けますか?」

「大丈夫です。」

第一段階クリアね。

「俺付いていこうか?」

ちゃららら。敵が現れた。

いや、モンスターゲームじゃないんだから。でも今の私には邪魔なモンスターだ。

「クロー君、そうですね。アリミナールさん一人では心配なのでお願いできますか?」

「いえ、一人で大丈夫です。」

「熱あるなら遠慮するな。」

心配の振りして授業サボる気か?

「クロー君、授業サボる気ですか?ただでさえ、休んでいたんですからちゃんと出てください。」

この一言が効いたのか先生も納得して一人で保健室に行かせてくれた。ちょっといじわるすぎたかな。

さて、まだまだ油断できないってことか。

ガラガラと保健室の部屋の扉をアリミナールは開けた。


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