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第六十二話 無口な王子と人形と

「なんでこいつも付いてくるんですか?」

かなり尖った言い方で王子様を睨み付ける主人公のリリーダがいた。そのまま、ガイはアリミナールとリリーダの後を追いかけてきて、勝手に隣に座ってきた。

「アリミナールがいなくなってからいろいろ探してたんだよ。グランとケインが迷惑になるからって、途中で探すこと出来なくなった。だから、絶対に会えるって信じて待つことにした。ノイシー・キャラベルの近くにいることはわかってたよ。」

「ノイシー先生にはとてもお世話になりました。ガイ様に嘘をついたことを申し訳なく思っていましたよ。」

「・・理由はわかっているから咎めたりしない。」

「良かったです。」

「・・・。」

「・・・。」

なぜ二人が黙ってしまったのかリリーダにはわからなかった。そして、気まずいとさえ思っていた。

「・・アリミナール。また一緒にお茶しよう?」

「嫌です。」

「・・ふふ、またそれか。相変わらずだね。そういえば、グランとケインの二人にしか話してない何かがあるのかな?あの二人はアリミナールに絶対に会えるって言って本当になった。ちょっとずるいな。俺にも相談してくれて良かったのに。」

「なんのことですか?」

ガイは珍しく笑顔で話している。そして、アリミナールに聞こえるようにだけ話すために耳元で話しかける。

「今度、呼びに行くからお茶しようね?」

突然にそんなことを言われたことや耳元で囁かれたため、アリミナールは顔を赤くする。ちょっと不機嫌な表情で、小さな声で答える。

「嫌です。」

聞こえなかった振りをしてガイは食事を片付けにそのまま立ち去った。


「アリミナール様、たとえ王子様が相手でも私が守りますからね!」

「ふふ、何もされてないから大丈夫。」

一切リリーダとガイが話すことはなかったな。このままでは本当に攻略対象者が苦労してしまうのでは?イケメンにかかればそんなこと苦でもないか。リリーダはすごくかわいいし、優しいし、主人公だし。あれ、私が隣にいるのは邪魔になっているんじゃないか?ある意味邪魔する私って悪役令嬢になってないかな。恋路の邪魔は悪役令嬢の嗜みだよね。まずいな、でも今更何も出来ないし、むしろ覚えているイベントは邪魔しないようにしていた気がするんだけどな。初恋はいつ始まるんだろう?ほら、ゲームの名前って初恋レディだよ?もうすでに始まってたりするのかな?本人に聞くことだけはやめよう。


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