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第五十五話 セット扱いが基本です

「兄さん、アリーに会えたんですね。」

「少しだけな。」

「僕も早く会いたいものです。追いかけても消えるんですよね。」

「これがアリミナールの言った未来視の力なのか?」

「どうでしょう?アリーには会えませんが、同じ特異体質の子と僕は同じクラスにいるんです。アリーのことを聞いても何も話さないんですよ。むしろ敵だと思われているようで。なぜかその子との縁のほうが多いんです。」

「俺もだ。アリミナールを探しているとよく見かける気がする。」

「邪魔ですよね」

「邪魔だ。だが、アリミナールの友人らしくてな。消すわけにもいかないし。」

「兄さん、最近危険な発想が多いですね。」

「そうか?」

ケインは呆れながらも、兄のことを嫌うことはない。

「はぁ、それにしても作戦がうまくいきましたね。アリーには悪いですが、変な虫がつかないようになりました。これはあの子のおかげですね。」

「ケインは人の考えを読むのがうまいよな。」

「そんなことないですよ。」

不吉な笑いを浮かべて話している二人だが、周りには和やかな会話を繰り広げているように見えるのだろう。周りにいる女の子たちは仲睦まじい兄弟に見惚れている。


「生徒会副会長のグラン様と弟様のケイン様だわ。」

「いつみても素敵なお二人ね。」

「グラン様に続いてケイン様にもファンクラブが出来たようですわ。」

「私も入りたいです。」

「すでに二人のファンクラブに入っています。」

お嬢様方は、この話で盛り上がっている。


アリミナール・ブラックレスは主人公の恐ろしさを再確認する。リリーダ・キャラベルの発言から7日後、お父様からの手紙を受け取る。もちろん、内容はわかっていた。婚約者の話は抹消されたらしい。そして当事者のクロー・ナシュウェルは家の騒動を収めるために、数日学校を休学しているらしい。これにより、アリミナールは少し安堵していた。婚約者の存在さえなければ、アリミナールはバッドエンドを迎えないからだ。しかし、主人公であるリリーダが陰でこんな行動を起こすなんてイレギュラーではないだろうか。ほとんどの時間を共有する私とリリーダもすでにイレギュラーである。しかし、主人公と仲良しでなければ、このイレギュラーは存在しなかったのかもしれない。


そんな私のピンチを救った主人公のリリーダは、本日最大の悪魔と戦っているようです。悪魔っていうか風邪ですね。因果応報ですか?

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