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第五十一話 主人公が役割を忘れたようです

「クローって人と婚約者にされたってどういうことなんですか!?」

「親同士が決めたことみたいで・・。」

リリーダちゃんにしては珍しくお怒りマックスのようだ。主人公にここまで心配される悪役令嬢っていないよね。私の悪役令嬢終了、ってなりませんか?

「任せてください。」

いつもかわいいリリーダが、いつになく怖い顔をしている。

「相手があいつなら私にもできます。1週間ください。必ず婚約者なんて消してみせます。」

「とてもありがたいけど、リリーダちゃん?あれでも彼の家は巨大な貿易会社で・・。」

「昔から縁はあったんです。昔はお互いの両親が仲良くて、将来あいつと結婚なんて話も出てきたほどです。でも、アリミナール様にあいつは釣り合わない。私のお父さんにかかれば不正を見つけるなんて容易いですよ。」

ああ、なんて清々しい笑顔なの。よけい怖い顔だからやめて。私、いつリリーダちゃんの育て方間違えた?主人公って純粋でかわいいが常識じゃないのかな?

「お、お願いします。」

でも、断る理由ないからいいか。婚約者がいるってだけでバッドエンドが近づくみたいで不吉だし。主人公がいらない宣言してるってことは、いらないってことよ。

これって私の旅に主人公を巻き込んだことで、幼馴染との時間を奪ってできたルート殲滅ってやつかな。

「やっぱり私とアリミナール様がいれば、世界征服が一番安全です。いつでも頼ってくださいね。」

「世界征服はダメよ。心配になってきたからリリーダちゃん、明日から私の元を離れないでね。」

危険だ。主人公が危険だ。私の一言に世界の命運がかかってしまうって怖い!私が世界征服って選択肢を選んだら本当に危険。今までのリリーダちゃんは有言実行だ。さらに怖い。

この際ルート探りより、リリーダの新しい幸せを見つけてあげることが重要な気がしてきた。攻略対象者たちよ、すべては君たちに任せたよ。ほら、私って悪役令嬢だから、私には選択肢はないのよね。

「リリーダちゃん、私があげた髪留め似合ってる。」

「ありがとうございます。クラスの方にも褒められました。」

たぶん髪留めじゃなくて、リリーダがかわいいから褒めたのだと思う。

「許可も頂いたので、今日からアリミナール様の傍にずっといますね!」

「今日からなんて言ったかしら?」

そのままリリーダはアリミナールの部屋に泊まっていった。しかも、すでに荷物を持ってきている。

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