第五話 ツンデレは正義である
「作戦が思い浮かばない。」
広い自室にてアリミナール・ブラックレスは悩んでいた。
前世では、アニメや漫画が大好きであった私だが、ゲームは苦手であった。特に恋愛経験のない私はゲームでの答えに、素っ頓狂な言動を選び苦戦していた。
初恋レディの中で私は、一人のキャラに熱を上げていたことを覚えている。唯一学園に入るまでであるならば、アリミナール・ブラックレスとの関わりのなかったツンデレ要員のキャラである。世の男性は、女性のキャラでツンデレは王道、であることは知っていたが、ツンデレの何がいいのかわからないとまで思っていた私。しかし、異性となると別なのか?そのキャラのルートは何度やったことか。ツンデレ要員、ナリク君に会えることは喜ばしいことであるが、転生後の自分の命がかかっていることには笑えない。
しかも、グラン王子に友達認定されるなどありえない。
「あれ?でも確か、グランとアリミナールはお互いを意識しないで、大人になったら結婚するんだろうな・・ぐらいの認識だったよな。なんで友達認定になってるんだ?」
いろんな考えを巡らせている中、コンコンと扉の音がする。
「失礼します、お嬢様。グラン・アンジャードルタ様がお見えになられましたよ。」
ぐぁ~宣言通りに来やがった。
「本日はお越しいただき誠にありがとうございます。さて、今すぐ帰ってもらっていいですか?」
「アリミナール久しぶり!良かった、変わってないみたいで安心したよ。今日は何して遊ぼうか?」
この美少年がっ!と心の中で叫ぶアリミナール。顔がいいって正義なのかな。いや、ツンデレは正義にしとこう。
「私たちは友達じゃないですからね。これは間違えないでください。あと、結婚もしません。私たちはまだ子供で、未来があるのです。将来、必ず運命の相手に会えるので、早急に私と離れてください。」
どうだ、と鼻高々に宣言した私を。美しい顔がおぉ~ぱちぱちと称賛しているのか手を叩いているではないか。通じたのか。
「じゃあ、作戦の話に戻りましょうか。アリミナールは悪役で、これからどんな悪いことをするつもりなの?」
何も通じてなかった。しかも、子供と思って侮った。グラン王子って腹黒王子要員じゃないのになぁ。
「私には未来がわかるんです。」これでどうだ。
「じゃあ未来を変えるべく、僕も手伝うよ。」天使のほほ笑み。
「グラン様怖い。」