第四十九話 攻略対象者が注目するのは
攻略対象者が決まったのか?お父様から聞いた時は本当に驚きましたよ。まさか、自分がプレイしていないキャラ、すなわちクローは隠れ攻略キャラだったんだから。これじゃあ、前世の記憶も役に立たない。だって私、隠れキャラ見つけることも出来なかったし。バッドエンドもどうなるかなんて知らない。しかも、私の婚約者になっているからって主人公の攻略対象者なのかもわからない。もしかして主人公の幼馴染ポジションなのか?それから話は進んでお互いを意識しだすとか?アリミナールはその二人を引きはがそうとするのか?意味がわかりません!誰か教えてください。
「う~ん。親同士が決めたことなので取り消しはどうでしょうか?」
「ふっははは。面白いこと言うな。とりあえず、保留ってことならいいぜ?」
「取り消しを要求します。」
「保留だな。」
くそ~攻略対象者なら、ここで私には敵意がないことを示せば終わりとか、そんな展開ないのか。何が何でも悪役令嬢アリミナール・ブラックレスになってしまうのか?って私悪いことしないもん。リリーダちゃんのこと好きだし。かわいいし。ほしいというなら婚約者あげるし。ってか誰でもいいから早く私を自由にして。攻略対象者たちの動きに注目しないと、展開がわからないのがつらい。でもここにきて隠しキャラが婚約者って私どんだけ運悪いの?ぶっちゃけゲーム人気考えるとあの人のストーリーが人気だから一番要注意してたのに。いや、隠しキャラもどんでん返しがなんちゃらで人気あるとか言ってたっけ?
「婚約者?いつの間にそんなことになっている。」
「それが、急遽決まったみたいで。」
「ふん。ここまで来たんだ。そんなものどうとでもしてやるさ。」
「・・・俺も手伝う。」
3人の男たちが話合いを繰り広げている。生徒会室と書かれたその部屋には3人しかいない。
クローとの食事を終え、別々に行動することとなった。
アリミナールには本日大事なイベントが待ち受けている。そのイベントはアリミナール自身にはまったく関係のないイベントである。しかし、主人公であるはずのリリーダにはとても重要である。今日こそが、どのキャラであっても出会いイベントが発生しなければいけない日なのだ。これによって私は攻略対象者たちをふるいにかけようと思う。イベント発生イコール攻略対象者の可能性ありってね!私頭良い。