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第四十四話 あなたがいれば

「あと6年近くは帰れないんですよ?」

 とても不安そうに、心配してくれる声がする。

「一緒にいたいです。」

 そう答えると嬉しいのか笑顔になるけれど、やっぱり心配そうにこちらをみる。 その姿は小さい小動物のような目で、心配されていることも忘れ見惚れてしまう。

「アリミナール様と世界征服するんです!」

「それだけはダメ!」

「じゃあしません!アリミナール様の傍にいられるなら何もしません!」

「わかった!一緒に行こう!リリーダちゃんのことが心配だよ、将来が不安になってきた。」

「お父さんにも同じこと言われました!」

「一緒にいる間に、リリーダちゃんを大人にしてあげるからね!」

 そのままだと、本当に大人になって世界征服を企むことになってしまうので、リリーダを教育しなくてはと意気込んだ。

「こら~子供が何言ってるの?」

「ノイシー先生、本当にリリーダちゃんを連れて行くんですか?」

「うん。このままアリミナールちゃんといたら、もしかしたらもしかするかもしれないからね~。」

ノイシー先生によくわからないことを言われたが、何も教えてはくれなかった。


「アリミナールちゃんって王子様の友達とかいる?」

 突然ノイシー先生から質問された。

「いません。」

 友達はいないので、嘘ではない。しかし、ノイシー先生には嘘は通じないだろうことはわかっている。

「え~本当かな~。自分はこれでも、ジェット国の城で教師をしていたこともあるから~あの不審者の取調べは国の管轄になるんだよ~。アリミナールちゃんのことも喋ってしまうだろうね~。」

「ノイシー先生、はっきり教えてください。」

「以前、小さな王子様に呼ばれて君のことを聞かれたよ~。」

「そうですか。」

 誰のことかはわかったが、どう反応してよいのかアリミナールはわからなかった。

「もちろん何も話さなかったよ。でも、このことを話したらわかるかな?本当に家に帰らなくていいのかい?」

 この先、私には選択が出来ない。ゲームの展開が待ち受けているなら、どんなに足掻こうとあの学園に行く未来は変わらないのだろう。屋敷に帰っても、お父様に囚われている気がする。

「今の自分の選択を信じたいのです。どうか、今だけは自分の意志を貫かせてください!」

 意志が固いことを目で訴えた。ポンポン。ノイシー先生はアリミナールの頭を撫でる。


 その時がやってくるまで彼らが立ち止まることはない。

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