第四十三話 夢は世界征服
「やっぱり、ノイシー先生も特異体質だったんですね。」
「知らなかったんですか!?心が読めるって変な魔法で、特定の人しか読めないのでお父さんは嫌がってました。」
ノイシー先生の指示で、お助けキャラのクロー君を使って国の警護担当の人たちがやってきた。どうやら不審者の身柄を拘束しにきたようだ。
アリミナールとリリーダはその間部屋に隠れて、二人で話をしていた。
「なんとなく、先生には私の考えがバレてしまっている気はしました。」
「でも、喜怒哀楽くらいしかわからないって言ってました。本当に心が読めるのは、悪いことをする人だけみたいです。だから自分の力は役に立たないって。」
「私はすごいことだと思いますけどね。まさか!」
「アリミナール様?どうしました?」
「まさか、私が世界征服も夢じゃないって考えてたのもバレていたんでしょうか・・。」
うかつに変な考えしてはいけないな、魔法の制御ができてからというもの、世界征服してしまえば万事解決なんて適当なこと考えたことあるよ。
「せかい・・せいふく。素敵です!アリミナール様なら絶対出来ます!」
おや、リリーダちゃんが楽しそうに言っている。いや、世界征服はいけないことなんだよって教えてあげたほうがいいかな?
「私もお手伝いします!二人で力を合わせたら夢じゃありません!」
「た、たしかに二人ならできるかもって違う違う!私たちまだ子供だからね!ただの冗談だから!リリーダちゃん本気にしないで!」
「物騒な話だな。」
後ろから声がしたと思ったら、お助けキャラのクロー君がいた。
「守り神って言われてるくらいだから、世界征服できるんじゃないか?手伝おうか?」
さすがお助けキャラ!ノリいいね。って違う!笑顔でそんなこと言わないで。
「私とアリミナール様の夢ですから、クローは入らないでください。」
リリーダちゃん、夢違う、冗談ってわかって!
「えっと、クロー君?これは嘘だから!気にしないで。」
「冗談なのか?面白そうだと思うけど。あ、二人は引っ越しだっけ?引っ越した後に、二人だけで世界征服するなよな?」
「だからクローはダメなんです!」
「お願い二人とも、さっき言ったことは忘れて!」
その後何度も説明したが、二人の言い合いは止まらなかった。