第四十二話 ロリコンは世界共通
階段から一人降りてくる人物がいた。
「アリミナール様！」
アリミナールは不審者とノイシー先生を残して一人で降りてきたようだ。
「リリーダちゃん、うわわっ！」
いきなり抱き着かれてしまった。
「先生と知らない男の人が二人で話し合いをするみたい。絶対に邪魔はしないように言われたわ。」
「わかりました。アリミナール様が無事で本当に良かったです。」
一方２階では、締め上げられた不審者がノイシー・キャラベルと話していた。
「君は雇われたんだろ～？その人物は有名な人だよね～そうそう！子供が大好きらしいね～。変わり者だけど、子供に手荒な真似はしないし、ただ手元に集める収集癖があるって言われているね～攫ってこいって言われたのかい～？」
「まっ待ってくれ！俺何も言ってない！なに勝手に一人で喋ってやがる、気持ち悪っ！」
「そうか～攫ってこいとは言われなかったのか～なるほど、初めて接触する人は勘違いするよね～子供を連れてこいなんて人攫い以外思いつかないよね～。」
「だ、だからっ。」
「もう情報も聞いたし、君の存在意味がなくなってしまった～きっと君が消えても誰も悲しまないね。さて、言い残すことはあるかい？」
「待って・・・くれ。」
ドスっつ。鈍い音が部屋に広がる。不審者の男は床に転がり意識はない。
「はぁ～殺すわけないじゃないか～。これでも王宮で働いているからね。でもどうしようかな～アリミナールちゃん目当てでここに来たってことは、誰かにここがばれている。しかも、この男を城に連れて行ったら王子様にアリミナールちゃんの存在が知られてしまうし、自分が嘘をついたこともバレてしまうな～。困った、困った。」
「お待たせ～。」
ノイシー・キャラベルが１階に降りてきた。
「ノイシー先生、あの男は？」
「うん。アリミナールちゃんを攫いにきたみたいだね～。世の中には変態さんがいるからね～。」
「・・。お父様でさえこの場所を知らないのに、私を狙ってきたということですか？」
「目の付け所がすごいね～。どんな理由で見つけたとしても、ここを出ていく判断は変わらない。幸い、アリミナールちゃんは魔法の制御がうまいし、リリーダも上達したからね。ここにいる必要はなくなった。あえていうなら、アリミナールちゃんは家に帰る選択だってできるんだよ？」
「先生、わかってて聞いているんですか？今は帰りません。」
「わかった。」
