第三十九話 お助けキャラ
リリーダちゃんとの魔法勉強も慣れてきた頃、今後のことについて質問された。
「アリミナール様はどこの学校に行くんですか?この国には、魔法を専門にしたクラスを編成した学校があるんですよ。私はお父さんにそこに行けって言われてます。」
「そっか、私もリリーダちゃんと同じ学校に行きたかったなぁ。でも、私には選べないから・・。」
「お嬢様になるって大変なんですね?私、アリミナール様と同じ学校に行きたかったです。」
リリーダはすごく残念そうな表情になった。
「私の国ではね、化け物って言われているの。魔法による知識がないからね。今後の動向はお偉い人が決めるんだって。」
「そんな!この国なら、守り神って言われているんですよ!化け物だなんて許せません!」
「うん。私、この国に来れて、リリーダちゃんと会えて良かった。」
「アリミナール様・・。私も同じ特異体質です。頑張ってアリミナール様みたいに魔法を使いこなしてみせます!約束します。」
本当にリリーダちゃんって良い子だ。大丈夫だよ、最悪はこの魔法使って世界征服も夢じゃないって考えてるんだよ。私みたいなお嬢様に対して、こんなに優しいなんてこの子の今後が、逆に心配になるな。
「リリーダちゃんは水の魔法で、私は火の魔法、相性がいいよね。」
「火と水ですよ?」
「私は火だから、リリーダちゃんには勝てない。今だってリリーダちゃんの優しさに負けてずっと一緒にいたいって思ってしまいました。ふふ。」
「負けてください!絶対ずっと一緒です!」
二人で和やかに魔法訓練を続ける。それからのリリーダちゃんの魔法の成長はノイシー先生もかなり驚いていた。
訓練が続いていたある日、森の中で何かが動くのを感じた。今はノイシー先生も、リリーダちゃんもいないため、アリミナールは一人でその気配を追いかけてしまった。
「捕まえた!」
そこには暴れているが、犬に似た生き物がいた。アリミナールの私でさえ捕まえられる小さな生き物だ。
「これは犬なのかしら?でもしっぽは猫みたい。」
突然後ろから声がした。
「良かった~!それ捕まえてて!」
後ろを振り向くと少年が走ってこちらに来た。近くでみればすぐにその子が知っている子であるとわかる。この少年知ってる、初恋レディのお助けキャラだ。優しい物腰で、ニコニコキャラだった。順番的に次はツンデレ君だと思っていたのでガッカリしたのは秘密だ。