番外編 空から降ってきたパンツを拾った④
君の私物・・・?男に渡すべき?君の私物ってなに?
そう思ってアリミナールは自分の手のパンツを再度凝視する。
「誰が私の私物ですか!!!」
間違いに気づいたアリミナールは腹の奥底から声が出た。
「私のだと思っていたんですか!?へっ、変態!」
さらに何も考えずに5人の攻略対象者に向かって変態と罵ってしまった。そしてすぐに顔面蒼白になる。
彼らはみな驚きの表情をしていた。
あ、自分の間違いに気づいてつい言ってしまった。いや、でもこの間違いに気づいて彼らの言葉を思い出してみても私は悪くないのではないか!?え、まさか私がパンツを履いてないとでも思われていたの?恥ずかしい!悪役令嬢とか言う前に、乙女として恥ずかしいわっ!
「空からこれが・・・パンツが降ってきたんです!」
先ほどの変態発言を有耶無耶にするために必死に言い訳のようにアリミナールは叫んだ。
いや、空から降ってきたパンツってなんだ!?自分で自分にツッコミを入れてしまった。
「その時に皆さんがいらしたから、誰に渡すべきなのかわからなくて・・・・。」
「アリーの頭の中どうなっているの?男がそんなもの落とすわけがないよね!?」
「・・・アリミナール、ケインの言う通りだ。」
なぜかケインとグランが責めてきた。いや、たしかにそうですね。攻略対象でも“男”だったんだ、とか思ってすいませんでした。いや本心で。ですよね・・・・、そんな男どもがリリーダちゃんの近くにいるとか逃げて!って思うわ。これは全面的に私が悪いのか。
「すいません・・・・動揺していたようで・・・。」
だって空から降ってきんだよ?パンツが。いや私、一体何回パンツって言ったんだろう。これだけ聞くと私変態じゃないかな?大変だ・・・・そんな不名誉やめてほしい。
これはあれだよ。タイミングが悪かったのがいけないんだ!
「いえ、別に皆さまの持ち物だと思ったわけではなくてですね!誰かの落し物を拾いに来たのが皆様だったのではないかと思い、誰に渡すべきなのか聞いてみただけなのです。けっして女性ものを使用していたなんて考えていませんからね!本当です!お優しい皆様のことですし、きっと誰かのために探しにきたのだろうと思っての発言であって!」
動揺するアリミナールの近くで、彼らはそれぞれ考えていたが、ある意見だけが一致していた。
『彼女が学園に来て話した時間が長いのが今の瞬間ではないだろうか。その原因となったのが手にしている“それ”なのはどうしたことだろうか。』




