番外編 空から降ってきたパンツを拾った②
「・・・こんな近くにいたとは思わなかった。」
二人から少し遅れてガイが来た。
誰か嘘だと言って。あのガイまでが・・・。中性的な彼ならガイのパンツってことも・・・。いや、違うよね。ごめんなさいガイ。ちょっと女装したガイを想像したとか、それも素敵かもとか思ってないよ。本当だよ。たぶん・・・。ええ、たぶん。
3人が話しかけてきてなおも、私はパンツを持っていた。
「リリーダが探していたんだよ。」
そう言ったのはクローだった。幼馴染ポジションの彼が他の攻略対象者と一緒に現れたことにも少しびっくりしたのだが。
え、これリリーダのパンツなの!?これイベントなの?攻略対象全員が一人の主人公のパンツを探すゲームイベントってなんだ!そんなことあるの!?乙女ゲームって、乙女ゲームって・・・・。
アリミナールは少し現実逃避したくなった。
「探すのを手伝わされた。」
少し不機嫌に言ったのは、ツンデレ君ことナリク君だ。他の攻略対象者よりは離れたところでこちらに声をかけてきた。
本位ではなかったが彼もリリーダのパンツを探す一員として現れたことに目を見開いてしまった。ナリク君までもがパンツを探すイベントですか!リリーダの魅力、恐るべし!
だが聞いてほしい。ゲットしたのはアリミナールだったのだ。もし仮にパンツを探せ、というイベントがあったとして、アリミナールが拾って良かったのだろうか。誰にパンツを渡すべきなのかアリミナールは真剣に悩む。
自分が死なないルートを選ぶために強制的にガイに渡すこともやぶさかでない・・・・。
だがしかし・・・。男性にパンツを渡すって、え、笑っていい?いや、他の攻略対象者の前で女性のパンツ渡すって恥ずかしいな。女性ものだし。これが男性ものでも恥ずかしいけどね。
パンツを凝視しながらアリミナールは悩む。攻略対象の5人もなんの反応もないアリミナールに疑問を持ち、アリミナールの視線の先に合わせた。なんせ、一番小さいのがアリミナールなのだ。手に持っているものにすぐには気づいていなかった彼らもすぐにその存在に気づいた。
「「「「「っ!?」」」」」
5人とも言葉にならない声を出しかけた。
「どう思いますか?」
さすがに、誰に渡すべきか自分一人では決められないので、仕方なく私は攻略対象者5人に話しかけた。こればかりは独断はいけない。
「え、なにが・・・?」
始めに声を出したのはクローだった。




