第二百三十六話 脱出失敗により現実を見る
リリーダとの仲直り?も出来たが、私はひたすら引きこもり生活続行中である。いいえ違います。父親が出してくれません。監禁です。え、父親による監禁エンドとかないですよね?お父様、信じているからね!本当にお願いしますよ!
そして、ついにこの時がきましたよ。
私は、悪役令嬢アリミナール・ブラックレス!お父様なんかに負けません。
そう、夏休暇の間、私はひたすら大人しくしていた。なぜかって?なぜ逃げないかって?ふふ、逃げられなかったからと答えておきましょう。お父様は、アリミナールの父親ってことなのよね。家出とまではいかなくても、夏休暇中に家を抜け出すことくらいお見通しだったようです。まぁ、この国では命を奪われる可能性が0ではないからね。でも、バッドエンド以外でアリミナールが死ぬとは考えられないけどね。というわけで、逃亡のことなのですが・・・そう、普通なら部屋の窓から脱出というのが普通だけど、見張りが外にいます。扉に関しては夜中だろうと誰かしらが見張りに立っていました。一度寝ぼけた振りして扉を開けたら人がいて叫んでしまった。あれは恥ずかしかったな。なんというか、お父様がアリミナールの行動を未来視でもしているかのような手際の良さに舌打ちしたくなります。子供の頃から、お父様とは因縁?みたいなものがあるから、逃亡に関してもぬかりないようだ。しかし、夏休暇の大半を使って私は見回りの使用人たちの行動を注視していた。他にやることがなかったなんてことはないよ?暇だったなんてこともないよ?無駄なことに時間を費やすほど暇だったなんてことないんだからね!?
軽くプリズンブレイクかな?って思ったよ?でも、監禁ってつらいよね?やっぱりたまには反抗期があってもいいと思うのですよ。ええ。
そして、決行日がきました!
夜間だと、私の魔法が光って目立つので昼間決行ですよ。やってやるぞ~!
って、思っていた一瞬がありました!はい。
目の前には、大好きなお菓子がたくさんあって目移りしています。にこやかなメイドさんがそんな私を見て癒されているなんて全然気づきませんでした。
だって目の前には美味しいお菓子があるから。
さらに明日には珍しい異国のお菓子を用意してくれるらしいです。
やっぱりプリズンブレイクは他の日にしましょう!と私の決心は揺らぎます。
これが父親の策略なんて知らない私は、夢中でお菓子をサクサクと食べてしまう毎日でした。なぜか、決行日がこないまま夏休暇は終わるのですよ。
え、なんでだ?
気づいたらもう学園の時期ですよ。私の決心は弱いことがわかりました。




