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第二百二十八話 ただの人間には興味ありません的な感覚

「はぁ~。」


その人物を見たアリミナールは、傍に誰もいないことをいいことにため息が出た。


あの人、レイのメイドさんだ。間違いない。嘘・・・ただの男性の姿を見るって何も面白くない!中性的な顔立ちをしているけど、ただの男性に成り果ては姿なんて見たくなかった!メイドさんは男の娘であるべきだと思う・・・あ、すいません、ただの個人的な意見です・・はい。ああ、なんか残念。ただの異性だと思うと、今までの言葉のキャッチボールを少し楽しんでいたけど、複雑だ。あれ?私は、どうしてこのパーティーでこんなにも精神的に消耗しないといけないのだろうか?


そしてアリミナールは、またため息をする。


壁の花となっているアリミナールとは裏腹に、グランの近くは賑わいでいた。

その傍には、レイの姿を捉えることが出来る。


「グラン様・・・。」

レイがグランに向けて話しかけるが返事が返ってこない。他のご令嬢の相手をしているのに忙しいようだ。

それでも気にしないのか、レイは言葉を止めない。


「あなたのお傍にいればあの子に会えると思いましたのに・・。なぜ現れないのですか?」

腕組みをしてレイは少しお怒りのようだ。それでもグランは気にせずに他のご令嬢の対応をしていた。


そんな会話のない二人の姿を遠巻きに見ていたアリミナールが、メイドだった人を忘れて、レイの衣装に注目し始めた。


やはり。レイは素晴らしい体のラインをお持ちだ!あの豊満な“あれ”にはリリーダでさえ勝てないわ。グラン、あんなに近くにいるのに“あれ”に視線がいかないなんて尊敬するわ。私でも注目しちゃう。自分も同じ女性ではあるけど、一度触らせてもらいたい。でもどうしてだろう・・・たぶん触らせてと言っても普通に許可してくれそうな気がするのはなぜかしら。


ぶるぶる、なぜかアリミナールはその考えをして寒気がしたような気がした。


そうだ!ここは前向きに考えて、攻略対象者とはいえ友達になったのだから写真くださいって正面から言っても許されるのではないかな。消えたとはいえ、ケインとガイの写真は一度持っていた訳だし。どうして写真が欲しいかと聞かれたら、やっぱり幸運が訪れるとでも答えればいいかな。いやいや、現実逃避していてもだめだ。友達って一括りにしてもいろんな解釈がある。アリミナールというか私の友人はリリーダしかいないから、友達って言われてもよくわかりませんが?男女の友情とかないよ?まぁ、女の友情も危険ではあるけど。って、なに友達エンドみたいな考えが!?大変だ・・・悪役令嬢としての選択肢をかなり間違えたみたい。これだからパーティーなんて来たくないんだよ!そもそも、ノイシー先生って何者!?味方と思っていたのが裏切られた。いや、あの人はリリーダの味方か、納得。


そしてまたため息を出すのだった。



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