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第百九十二話 同じ悪役令嬢として

大きな声で私とナリクの会話を遮った人はこんなことを聞いてきた。

「今日はお一人なのですか?」

レイの言葉に一瞬固まる。


これは・・・暗にあの女はどこだと聞いているのか?それとも純粋にいつも一緒にいるリリーダのことを聞いているのだろうか?というか後者の場合、なんでいつも一緒にいること知っているんだとツッコミを入れるべきなのだろうか?

さて、どう見ても悪役令嬢ポジションの人とは関わりたくないのだが、普通に無視してもめげないなんて強者だわ。リリーダをいじめに行くのかしら?その場合手伝うべきなのか?ゲームの進行上、私がいじめないのなら他の人物になる可能性はある。リリーダには申し訳ないけど、攻略対象者と仲良くなるためには心を鬼にしていくことも必要!


一人で決心をしたアリミナールは、堂々とレイに言った。

「はい。友達は、おそらく裏庭にいると思います。」


丁寧に受け答えたつもりのアリミナールだが、目の前のレイはパチパチと目を動かしてこちらを見つめてくる。リリーダの場所を聞いたのなら、すぐにでもその場に行くのではないかと考えていたのだが、笑顔になってレイは目を輝かせていた。まるで、狂暴な猫が甘えてきたかのような笑顔を向けてくる。


私は、何を間違えたのだろう?ただ聞いただけということか・・・。なんだか負けた気分。


なぜか敗北したかのようにアリミナールは視線を食事に戻し、すぐにナリクのほうに視線を向けた。


「友達なのか?俺はここにいないほうがいいか?」

目の前にいるナリクが、立ち上がろうとしたため、アリミナールの小さな手で袖を掴んで引き留めていた。

アリミナールは、視線でここにいてほしいことを伝えてみた。さっきまでは邪魔だったが、このお姫様と二人きりになることは避けたいと無意識に体が動く。


引き留められたナリクは、そのまま席についた。なぜか、両手で頭を抱えていたのは気のせいではないだろう。


そのやり取りに、はてなと頭上に浮かべてレイは静かに見ていた。

レイの後ろに控えるメイドは、静かに全員の状況を見ていた。


「あ、あの・・アリミナールさんとお呼びしてもよろしいでしょうか?」

「えっ・・はい。」

「あのあの!噂を!そう、噂を聞いたのですが!お菓子がお好きというのは本当ですの?」

「はぁ~。」

あまりに唐突の質問に適当な返事をしてしまった。



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