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第百八十六話 空気の読めない王子様

『警戒されている?』


それが一番に感じたケインのアリミナールに対する反応だ。

廊下までアリミナールを追いかけてきた時だった。


『願いが叶うとかわけのわからないことを言っているが、要はあの5人の写真が欲しいということなんだよな?なぜ頼ってくれないのだろうか?理由がわからないが、そんなに難しいことではないだろう。確かに王族のものの写真など、良からぬことを企むものもいるので原則学園では禁止されている。しかし、了承さえあればこの学園内では許可されている。この前の時だってそうだ。まぁ、アリーに了承も得ず撮影したことはしたが。持っているのは兄さんとガイとあの子だけ。要は、アリーが欲しいなら写真くらいどうとでもしてあげると言いたいだけなのだが。』


「どうした?」


ケインがそう聞いてきた。同じくついてきたクローは様子を見ているようだ。


「・・・いりません。」


欲しいに決まっている!


「何をお考えなのですか?」


たとえ罠でも欲しい!


「この前も申し上げたと思いますが、このような行動は困ります。」


つまりは邪魔ってこと!写真は欲しいけど!王子様という自分の立ち位置理解してから話しかけて。あと、普通に教室でその話はご法度だよ!例えばクラス中に大声でアニメや漫画の話をするほどの恥ってことよ!


「写真をせがまれることはよくあるが・・・それがダメということなのか?」


ぬぉ~。そうきたか。確かにモテモテ王子ならばその可能性があったか。しかし、話が通じてないな。つまりはクラスで目立つから話しかけるなと言いたいのだが、こいつバカなの?あ、悪役令嬢相手にそういう思考ってあるわけないか。どん底まで不幸にさせたいのか?というか、悪役令嬢の私が主人公から離れているんだから、これこそチャンスだと思うのは私だけなの?


「教室であなたが話しかけたことで、すこし目立っていたことを言いたいのではないですか?」

身分を考えての素早い発言、クローという人間が情報収集に長けている理由の一つといえよう。いつものニコニコ笑顔でケインにも対応している。


「そうなのか?」

納得はしていないが、理解はしてくれたようだ。


クロー!わかっているじゃない!それなら君も私に教室で話しかけてこないと誓ってほしい。気軽に話しかけてくるのは君くらいだよ?本当にやめてほしい。


一切表情に出さないが、アリミナールは二人の会話に多くのことを考えていた。


リリーダが近くにいるというのはわかっているから、廊下で話すのもよくない。早くリリーダが誰か攻略してくれたらいいのに。いや、バッドエンドは嫌だけど。


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