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第百七十話 呪いの花占い

『はぁ~。私は、何をしているのでしょう?こんなものを持ってこんなところに座って。』


一人、校庭側のベンチに座っているリリーダは、2枚の写真を持って固まっていた。

近くにあった花をむしり取り、世にも恐ろしい花占いが始まる。これは、花占いというよりも、呪いの花占いと言った方がよいのかもしれない。

『抹消する・・・本物を抹消する・・・抹消する・・・本物を・・・。』


両手を使い、花弁をむしっており2枚の写真から手を離していた。風のない日であったが、突然に小さな風が起こり写真はそれに巻き込まれ床に落としてしまった。

リリーダは自分で拾おうとしていたが、目の前に現れた2人の女生徒に拾われてしまった。


「なんですの、これは?」


2人の女生徒は、写真を拾うなりごみでも拾ったようにつまむように扱っていた。

「ありがとうございます。」

そう言ってリリーダは、二人から写真を返してもらおうとしていたのだが、写真を確認した二人はその写真を返してはくれなかった。


「こちらは・・・。なぜあなたのような方がこの写真をお持ちなのですか?」

「え?」

「そうですわ!こちらの方々をどなただとお思いですかっ!」


写真を見た二人の女生徒は、写真を見たことで誰にでもわかるほど蔑むような目でリリーダを睨んでいた。

睨まれているリリーダは、状況が掴めず一人混乱していた。


「あの・・・その写真、返していただきたいのですが・・。」

「あなたのような方がこのお二人の写真を持っているはずありませんわ!一体どのような手段で手に入れたのですか?」

「違法な手段に決まっていますわ!」


「あの・・・。」

「ケイン様とガイ様のお知り合いだとでもいうつもりですの?」

食いかかろうとしている気迫にリリーダはたじろぐ。


「失礼。ケインと言ったかな?」

リリーダを責めているような女生徒たちが、会話に割って入ってきた人物を忌まわしそうに振り返った。


さっきまでとは違った空気に切り替わった。

完璧王子とはよく言ったもので、イラついていた女生徒の心を一瞬にして変えた。グラン自身は、爽やかな笑顔を崩すことなく近づいてくる。


「きゃっ!グラン様!」

「グラン様!?」


目を輝かせてグランの姿を二人の女生徒は眺めていた。背景には花が咲いていることだろう。

それに引き換え、リリーダは写真を返してもらえない焦りが見られていた。



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