表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
156/246

第百五十六話 地獄の味は完成する

アリミナールは、調理中に魔法は使用していない。それでも料理が出来ないのは、もう呪いなのだろうと自分では諦めている。爆発を起こすたびに教師の表情は真っ青になっていく。しかし、意外と周りにいるクラスの方々は逃げたり、怒ったりすることなく自然現象のように5回目の爆発からは自然だった。爆発と言ってもアリミナールも一切怪我をしないし、ボウルの中だけで済んでいるからなのかもしれない。


23回目の爆発を終え、やっと完成したものをオーブンに入れる作業までたどり着いた。教師は、ほっと一息つきたいところだろうが、アリミナールにとってはこれからが本番だと思っている。オーブンの中では小さな爆発が起きていることに、アリミナール以外誰も気づいていない。


時間になり、オーブンから出した時にはほとんどが黒い液体になっていた。カップケーキのようなものを作っていたのだが、なぜドロドロのものが出来てしまうのだろうかと教師は本当に不思議そうにアリミナールの完成したものを見ていた。しかし、その中にも見た目綺麗に出来上がったものが数個存在する。それに対しても教師は不思議そうに眺めるしかなかった。


「え~では皆さん。毎年この手作りにおいては、ご自身がお世話になっている方などに送る方もいます。普段調理に関わることのない皆さんには新鮮だったと思いますが、作り手の気持ちを知る機会になったことと思います。1学年はすべて調理実習を執り行っているので、交換をしてもいいかもしれませんね。では、これで終了となります。」


クラスの女性陣からは、きゃあきゃあと騒ぐ声が広がっている。さっそく誰にあげに行くか考えているようだ。


最後の教師の一言は余計なことを言ってくれるなとアリミナールは考えていた。

黒くドロドロしたものはさすがに捨てた。この学園では片づけは必要性がないようで、散らかした調理器具たちはそのままの状態で置いてきた。そして、残った見た目綺麗なものを袋に詰め調理実習室を後にする。

アリミナールはそのまま調理実習室を後にしたため、白いエプロンを付けたままだということに気づいていない。髪型もポニーテールのまま、ぴょこぴょこと歩き出した。


アリミナールが歩き出した頃、同じように追いかけてくる人物がいた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ