第百三十話 昼ドラ時間?違います
「あら、見てください。アリミナール様がいらっしゃるわ。」
「まぁ!本当ですわ。隣の方は・・レイ・シルバスタント様ではないかしら?」
「あのお二人が一緒にいるところを始めて見ましたわ。仲がよろしいのかしら?」
「私もお近づきになりたいですわ・・。」
「え?」
アリミナールのクラスのご令嬢たちが遠巻きに話していた。アリミナールと、レイはそれには一切気づいていない。
「アリミナール様といえば、いつものあの方の姿が・・。」
「あら?あそこにいらっしゃる方は・・・。」
「固まってどうされたのでしょう?」
そんな会話を繰り広げるご令嬢たちから少し離れたところで、アリミナールたちを見て固まっていた少女の姿があった。
「あ、アリミナール様・・。」
その少女はそのまま、食堂から姿を消した。
ケインとガイは、アリミナールを探して学園中を走っていたが見つからず、一度二人で元いた教室に戻ることにしたようだ。
「俺は、普通にアリーが逃げたのだと思ったが。」
「・・屋敷と違って、物理的に逃げられる状況だからな。でも、誰かいたのは嘘じゃないだろう。」
「なんというか、アリーは本当に楽しませてくれるよな。」
「そうだな。城内じゃ走ることなんてない。それに・・くっくっ。授業をサボるアリミナールが目に浮かぶようだった。」
ケインとガイは目を合わせて笑っていた。
しばらくして、ケインとガイは勉強会をしていた教室に戻ってきた。
扉を開ける前にシクシクと言った音が聞こえたような気がして、二人は目配せした。教室内に誰かいるようだ。二人で同時に教室の扉を開けた。
そこにいたのは、さきほどまで勉強を教えていたリリーダ・キャラベルだった。しかし、教室で一人お弁当を広げて、まるでやけ食いをしているのではないかというほど、むしゃむしゃと食べている姿があった。どうやら、リリーダもアリミナールを見つけることが出来なかったのだと、二人の王子は判断した。
「アリミナール様の浮気者~!でも好きです~。んぐんぐぅ。」
「あ~おい。アリーがどうしたって?」
ケインの言葉にリリーダは反応を見せるが、すぐにお弁当へと戻り再び食べ始めた。
「アリミナール様が・・知らない女の子とご飯食べてたんです~。私のお弁当が食べたいっていうから朝起きて作ってきたのに・・。」
「・・それで、やけ食い?」
ケインとガイはお互いを見やり、戸惑っている。




