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第十二話 このルートなら死亡フラグはありません

 ケイン・アンジャードルタの友人枠といえば、初恋レディの攻略対象者の一人がいる。ガイ・ブルスタール、隣国のジェット国の王子である。攻略対象者には会いたくないというのが本音であるが、私が知る限り唯一初恋レディの攻略対象者の中で、アリミナール・ブラックレスがバッドエンドを迎えない相手でもある。気にならないと言えばウソになる。もしも運命の強制力で、婚約者を決めなくてはいけないのであれば私は間違いなく彼を選んでいるだろう。


「ガイ・ブルスタール様であれば、婚約してもいいかもしれませんね。」

 少し諦めたように囁く。


「アリミナール!?」


「アリー、なんで僕の友達のこと知ってるの?」


 しまった。グラン様には少し話していたが、ケイン様は何もしらないんだ。友達を紹介すると言われただけなのに相手の名前も当ててしまった。

「えっと、グラン様に聞いたのですわ!」

「ガイとは最近知り合ったばかりで、兄さまどころか誰も知るはずがありません。」

 疑うような目を向けている。


 よし、こうなったら。

「私には未来がみえるのです。」

 グランは珍しく焦っている。子供の冗談みたいに話逸らすから、本当みたいに焦らないで。

「どうやら、兄さまは理解しているようですね。僕にも未来のことについて話してもらうよ、アリー。」 かわいい弟タイプに睨まれた。かわいい、ってそんな場合じゃない。この兄弟は疑うことを知らないのか?未来見えるなんて言われたって私でさえ信じないよ。


「アリーがみた未来では、自分が悪役で死んでしまうかもしれないってことなんだね。それはわかった。でも、死なないからってガイと婚約ってのは違うと思うよ。」

「僕もそう思いますよ。幼い僕らは、判断力も欠けているだろうし、今決めるこではないと考えている。」

 ケインが言えば、グランも同意している。

「せめて、パーティーの時はガイと出会わないように兄さんと一緒に手伝うよ。ね、兄さん!」

「そうだな。」

 二人の息がぴったりで止めることは出来ないと察した。私の中では、一番のバッドエンド回避方法だったのだが。あ、もしかして二人とも自分が主人公に恋したいからとか?いや、そこまでの説明はしてないはずだ。学園にて出会う運命があることだけ説明した。


「ガイとは友達になれると思ったけど、今後のために距離を置いたほうがいいかもしれない。」

 苦虫を噛み潰したような声が聞こえた気がした。

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