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第百十六話 ガイとナリク

授業の開始の音が響き渡る。

ナリクは、アリミナールと会話を終了され走り去られてしまった。

手を伸ばそうとしたが、授業があるためその手を引き下げた。


ナリク・グルテンは授業が開始になる前に、クラスを見渡した。その中に、一人だけある人物について知っていそうな存在に気づく。


ナリクは、授業の間その人物をじっと見ていた。

「名前は確か・・ガイ、ガイ・ブルスタールだったか。」

誰にもわからないように呟いていた。そしてその人物を見ていた。


たしか、どっかの王子とかクラスのやつが話していたな。なんで王子があいつのことを知っているんだ?俺もよく知らないやつだが、授業が終わったら少し話しかけてみるか。


「おい。」

ナリク・グルテンは王子であろうが、話し方はブレない。

声をかけられたと気づいたのかゆっくりとその声のするほうに顔を動かし始めた。そしてガイ・ブルスタールは、ナリクの存在に気づく。存在には気づくが、それ以上のリアクションを見せない。こちらも誰相手であろうとブレない。

「ちょっと、聞きたいことがある。」

ガイもナリク・グルテンの存在を思い出し、アリミナールが集めた中にいた人物であると認識した。しかし、自分から何かを話す気はないようだ。表情もいっさい崩さない。

「聞いているか?」

あまりにも反応のないガイを見て、心配になったナリクは再度聞き直す。それでも相手からの返答はかえってこなかった。

「お前、寝てないよな!?」

そう言って両肩を掴んで揺さぶる。なんの反応も見せないガイに眠っているのではないかと考えてしまった。

肩を掴まれ揺さぶられようとガイは反応を見せない。無反応であった。

「アリミナール・ブラックレスについて聞きたい。」

その一言で人形のように反応をみせないガイ・ブルスタールは、動き出す。

「何?」

少し睨まれたような気もしたナリクだった。

「いや、たいしたことじゃないんだが。あいつっておじゃべりだろ?今日はあんまり元気ないみたいでよ。」

「おじゃべり?ふ~ん。」

なんでか品定めをされているような気分になったナリク。

「あんた・・・アリミナールの何?」

そのままガイに質問された。

「ただの知り合いだよ。」

「あっそ。」

それだけで、ガイはまた席に着いた。それ以上話す気がないと感じ、ナリクも席に戻った。

少し後悔したのか、ナリクは席に着きうつ伏せになった。


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