表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/246

第百二話 原因は本人

「ノイシー先生に聞いていたのね。でも、別にいいのよ。こんな呪いなんてたいしたことじゃないのよ。」

アリミナールは淡々と答えていた。


呪いの言葉に食いついたのはグランだった。

「その人払いの呪いには、どのような効果があるんだ!?」

「そのままの意味です。呪いを受けた本人と、関わることは出来るけれど、長い時間を共有することは出来ない。深く関わり合いになれない。簡単に言うと、アリミナール様に会いに行こうと思っても、呪いの効果で一時的ではありますが、会えなくなります。」

「なるほど、学園でアリミナールを探そうとしても見つからないはずだ。」

そしてグランは、今度は誰にも聞こえないようにこうも言っていた。

「アリミナールが策もなしに学園に来るはずはないと思ったが、そう来たか。こうなると、策がこれだけとは思えないな。」


「・・・アリミナール、その呪いはノイシー・キャラベルに?」

「私がノイシー先生にお願いしたのです。必要なことでしたので。」

「呪いの必要性がわからないよ!」

ケインがそう言った。

「3人は何か勘違いしていませんか?子供の頃に出会った時と今は違います。大人になって、私も変わっているのですよ。私は私の時間を生きていたいのです。この先、あまり人と関わりたくはないのですよ。この学園には、来たくてきたわけではありません。子供の頃の私の生活をご存知でしょう?ほとんど隠れて過ごしていました。何をそんなに拘っているかわかりませんが、そろそろ私にも自由の時間が欲しいのです。私のことを少しでも考えてくださるなら、勝手にさせてほしいですね。」

「君が勝手にするなら、こちらも勝手にするまでだ。」

グランは、力強く答えた。

「ふ、ふふっ。」

アリミナールは思わず笑ってしまう。

この人たちは何に拘っているのだろう。私も私で、いくら子供の頃からの知り合いといえど、ここまでの暴挙をよくやっている。怖いもの知らずとはこのことだろう。

「失礼しました。言葉が過ぎましたね。どうやら、あなたたちはとてもお優しい人なのでしょうか?心配でもしてくれているのですか?」

「アリー!呪いなんだよ!心配しないほうがおかしいよ!」

アリミナールの私に対して攻略対象者が心配とかするんだ。これは驚きだ。まぁ、乙女ゲームの攻略対象者が優しくないわけがないか。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ