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『小説家になろう』全体はどうなっているのか?

 3回目のデータ分析してみたですけど、今回も全体がどうなっているのかということから分析していきます。前回と同じ手法のところは省略するんじゃなかったのかという声が聞こえてきそうですが、全体的な概要だけは知っておいてもらわないとプラスアルファの部分も充分に理解してもらえないですから、ここだけは発表させてください。



挿絵(By みてみん)


 『小説家になろう』全体における小説の状態を円グラフで表しています。青い部分が読者にポイントを付けてもらえていない小説の割合、赤い部分が読者にポイントを付けてもらえている小説の割合です。

 一見すると前回と同じように見えますけど、わずかに変化はあります。一昨年は0ポイント小説が約45%で去年は約43%でしたが、今回は更に減って約42%でした。こうしてみますと、毎年わずかずつですがポイントを付けてもらえる小説の割合は増えていっていることがわかります。

 全ての小説にポイントをつけてほしいとはまで言いませんけど、この調子で読者の皆さんが読んだ小説を更に評価してくれると嬉しいですよね。自分の投稿した小説のことを振り返ってみましても、やっぱりポイントの有無は大きいです。まぁ、ポイントが付いたら付いたで、更に欲しいなんて思ってしまうものですから際限ないんですけどね。


 では次に、異世界転生と異世界転移の小説について見ていきます。ジャンル再編後は登録必須キーワードとなった異世界転生と異世界転移ですが、前回から約1万7千くらい増えて約4万6千でした。こちらも順調に投稿される小説が増えています。それでは、このキーワードチェックをしている小説のポイントはどうなっているでしょうか。



挿絵(By みてみん)


 この円グラフだけを見ますと、相変わらず異世界転生と異世界転移(以後、面倒なので転生転移とします)は投稿すると多くが評価してもらえるようです。しかし実は、前回の0ポイント小説の割合は20%弱なんですよ。つまり、この10ヵ月間で0ポイント小説は約5%も増えたのです! 全体ではわずかにですが0ポイント小説の割合が減っていただけに、この結果には驚きました。

 これはつまり、転生転移の小説はまだ人気はあるものの、その勢いに陰りが見えてきたということなのかもしれません。投稿すればとりあえず評価してもらえる感じだった転生転移の小説ですが、いよいよ供給過剰になってきた可能性が見えてきました。もしかしたら来年の分析で盛り返しているかもしれませんけど、これは予断を許さない状況ですね。

 余談になりますが、私もこれから転生転移の小説を書くとしたら、このことを考慮しておいた方が良いのかもしれませんね。ポイントのためだけに書いているわけではないですけれも、今までと同じように書いて投稿しても反応は期待したほど得られないかもしれないですから。


 ということで、ざっくりと『小説家になろう』全体の状態を見てみました。

 全体では0ポイント小説の割合は1年前と比べてあまり変化ありませんでしたが、転生転移のキーワードチェックがされた小説は評価ポイントをやや付けてもらいにくくなったようです。この状態が今後も続くようであれば、ついに転生転移の時代に陰りが差してきたことになります。終わりの始まりというやつですね。しかしそれでも転生転移はまだまだ大きな勢力を持っていますので、当面は人気ジャンルの地位を保つでしょう。




 0ポイントと1ポイント以上の小説の割合がわかったところで、今度は1ポイント以上の方に目を向けてみましょう。

 先の図表『小説の総合評価(0ポイントと1ポイント以上)』ですと、1ポイント以上の小説は全体の約58%を占めています。これらの小説には何らかの形で読者に評価してもらえているわけですが、ここを更に一定の範囲でポイント区切って階層を作り、その各ポイント層にどのくらいの小説があるのか集計してみました。

 それが下記の表『小説の総合評価(各ポイント層の割合)』です。これは、『小説家になろう』の全体である約53万件の小説を0ポイント層を先頭に全11階層に分けたものです(総合計層は除く)。階層の分け方は前回と同じです。こういった集計ではできるだけ同じ基準を使う方が望ましいですからね。

 ちなみに、今度は円グラフではなくて表なのは、円グラフだと上位層のパイが細かくなりすぎて潰れてしまうからです。この表の読み方ですが、左端の列が各階層の名称で、中央が小説の件数、そして右端が全体(約53万件)に対する割合です。



挿絵(By みてみん)


 表を見ますと、ほぼ前回と同じです。さすがに0ポイント層が1%減ったくらいでは劇的な変化は表れないですね。ちなみに、100ポイント以上の小説は全体の9.71%で前回(9.72%)とほぼ同じです。

 低ポイント層の小説数が多いのは当然なのですが、ポイントを得てからの最初の壁が25ポイント前後にあるようです。区切り方によって多少前後するかもしれませんけど、私の小説を投稿している実感としては、少なくとも20ポイント台に壁があるように感じています。突破できないときはこの壁がやたらと厚く感じられるんですよね。そして、次の壁が100ポイントと1000ポイントです。これも私の実感なんですが、どうして区切りの良い数値が壁になるんでしょうね。読者の皆さんがうまく見計らいながらポイントを付けているんじゃないの? と勘ぐってしまいます。


 では次に、転生転移の小説について見ていきます。先ほど円グラフでは0ポイント小説が前回よりも増えていることを解説しました。それでは、1ポイント以上はどうなっているでしょうか。



挿絵(By みてみん)


 相変わらず約53万件全体のものと比べると高位層であっても大した厚みです。ところが前回と比べると、50~99ポイント層より上の各階層でこの割合が小さくなっています。どの階層でも前回より大体0.5~1%くらい減少しているんですよ。0ポイント層の小説の件数が倍増しているのに他の階層では2割増しや3割増し程度しか小説の件数が増えていないとなると、当然そうなりますよね。

 円グラフのところでも書きましたが、大人気ジャンルということで多くの作者さんが転生転移に小説を投稿されているようですけど、そろそろ飽和状態になってきたのかもしれません。他のジャンルよりも評価してもらえやすいことに変わりありませんけが、今までのようにはいかなくなってきているように見えます。




 『小説家になろう』に投稿されている小説はたくさんありますが、依然として約4割は0ポイントのままであるようです。そして、ポイントがついたとしても大半は24ポイント以下ですので、ポイントが低いのも当たり前と言えるでしょう。

 今回分析して驚いたことは、転生転移のチェックが入った小説の勢いが弱くなってきた可能性が出てきたことです。まだ他に比べて評価してもらえやすいですけど、前ほど投稿したら評価してもらえるわけではなくなってきました。

 ということで、約53万件全体と転生転移を見てもらいました。私の意見や感想も一緒に書いていますけど、読者の皆さんはまた別の意見や感想を持たれているかもしれません。数値の読み方なんて見方が変わればがらりと変わりますから、皆さん自由に感じ取ってください。

 ともかく、これでとりあえず『小説家になろう』全体についてはわかっていただけたんじゃないかと思いますので、ここで一旦終わります。

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