表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界旅行記 ~異文化交流って大変だね~  作者: えろいむえっさいむ
1章【異世界における異文化交流についての課題と考察、及びその実践】
1/181

1・プロローグ

初投稿です、よろしくお願いします。

 両親が死んだ。


 交通事故だった。トラックが突っ込んできた。


 事故の瞬間の記憶は覚えている。父がエアバックごと潰れていた。母はフロントガラスに頭をぶつけて真っ赤になっていた。


 自分はなぜか助かった、シートベルトをしていなかったにもかかわらず。軽い骨折と打撲だけで済んだ。


 運がよかったのだろう。いや、悪かったのかもしれない。




 事故のあとのことはよく覚えていない。


 病院に搬送されたこと。叔父が親身になって声をかけてくれたこと。母の死体はきれいにして見せてもらったけど、父の死体は見せてもらえなかったこと。いろんな人が泣いていたこと。そんな点々とした記憶だけが覚えている。


 葬式は叔父がやってくれた。昔から格好よくて好きな叔父だった。いろんな人が頼りにしていた。叔父の指示に機械のように従っていろいろな手続きをやったけど、自分一人では何をすればいいかわからず途方にくれてただろう。叔父には感謝している。




 念願の一人暮らし。


 生家は売ってアパートに引っ越して生活を始めた。せっかく合格した大学もやめて、毎日アルバイトをした。早く自立したかったし、動いていた方がむしろ気が楽だった。


 学生のころは父が嫌いで、早く一人で生活したいと思っていたのに、実際にこうなると家族が恋しかった。何度も泣いた。




 そしてバイト帰りのあの日。


 車道に飛び出した子供が車にはねられそうになった。車は気づいていないのか速度を落としていない。子供もそれに気づいていない。


 漫画のテンプレのようなピンチの場面、当然のように僕は飛び出した。助けたかったからか格好つけたかっただけなのか、それとも死にたかったのか。たぶん全部だろう。


 突き飛ばされる子供、慌てた顔の運転手、急ブレーキで止まろうとする車。


 急いで立ち上がれば逃げれたかもしれないのに、僕は立ち止まっていた。周囲の悲鳴。場に似合わず微笑む僕。母の死に顔。頬を伝う涙。




 死にたくない。

気が向いたときにちょくちょく上げようと思っています。読んでくれたすべての方に感謝を。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ