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ちょっと素敵でしたよ

 拓海、こんばんは。

 拓海が私の事を『明日香』って呼んでいるから、私も拓海の事を『拓海』って呼ぶ事にします。男子の名前を呼び捨てにするなんて、今までの私には無かった事だから、ちょっと恥ずかしいけれど……。

 まずは、私の知っている事を話しましょう。

 ここは大きな湖に面して建っている病院です。私の部屋からも湖が見えます。そして、私の部屋のドアも、通常はロックされていて自由に外出は出来ません。これは私がこの病院に入院している原因にヒントが有ると思います。

 実は私、学校で突然パニック状態になったり、家でひとりの時に自殺をしようとしたりするらしいの。『らしい』というのは、私にはそんな記憶が全く無いのです。記憶は無いけれど、私の左手首にある傷跡が、現実である事を物語っています。そう、リストカットの傷跡です。

 きっと拓海も私と同じように精神に異常が有って、それを治療する為に入院しているのだと思います。

 私に解ることはこれくらいです。参考になりましたか?


 話しは変わりますが、拓海の趣味って何ですか? 

 入院中は暇だから、私は毎日本を読んでいます。もちろん、本屋さんに行って本選びをする事は許されていません。だから先生や看護師さんにお願いして本を用意してもらっています。

 私の読んでいる本は、だいたいが恋愛小説です。私もいつか、あんな甘い恋愛がしてみたいなんて、いろいろと妄想をしています。

 そう言えば、拓海が最初に日記に書き込んでいた文章、『街路灯達が星達に対抗している様だ』とか、『湖が記憶を飲み込む魔物のようだ』とか、ちょっと素敵でしたよ。

 少し長くなってしまいました。話したい事はまだまだ有りますが、今日はこの辺で……。


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