どんな人だろう?
日記を読み終わった明日香は、自分が話し相手になってあげようと思った。それが出来るのは自分だけだと思った。
すぐに日記に返信を書き始めた。
こんにちは。あなたがこれを読むのは夜だから、こんばんはって言うべきなのかしら?
私は明日香といいます。十七歳の高校三年生です。
今は入院中ですが、この前までは元気に学校へ行っていました。
友達はそれほど多くは有りませんが、とても仲の良い友達も居ます。
彼氏はいません。高校三年にもなって恥ずかしいですが、今まで男子と付き合った事が無いのです。だからといって、男子に興味が無いわけではありませんし、女子にしか興味が無いなんて事は決してありません。
クラスではあまり目立たない存在ですし、何か特別な才能が有るわけでもありませんから、面白い話は出来ないと思います。
こんな私ですが、おしゃべりの相手にしてもらえますか?
明日香は自分から告白をしたみたいで、ちょっと恥ずかしかったが、翌日の日記を楽しみにしていた。
その日は一日中彼の事を想っていた。窓からの風景を眺めるときも彼の事を考えていた。
「どんな人だろう? この病院に入院中の人よね? 何歳なのかな?」
聞きたい事は山ほどあった。
翌朝目覚めた明日香は、真っ先に日記帳を開いた。そこには昨日と同様の優しそうな文字が並んでいた。