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コール音が、しばらく続いた。
ポップ・ノイズの後、眠そうな薗子の声。
「.....まだねむーい....。」
あまりに緊張感の無いその声に
僕は笑顔になった。
こんな時でも...
薗子は、あちら側の世界では
普通の17歳として振舞っている。
こちらから見ると、夢のなか...
「薗子?僕だよ。」
薗子は、驚いたようだった。
「!どうして...?また..つながるようになったの?」
僕は、推論を話した。
薗子の居る世界は、僕のいる世界と寸分違わぬようでいて
どこかが違っている。
こちら側では21歳の薗子さんは、夢のなかで
それをイメージしているようだ。
でも、それが本当に夢なのか、それとも
別世界を、薗子さんが夢の中で見ているのかは
ちょっと分からない。
なぜか、僕と薗子が持っているスマート・フォンが
ふたつの世界をつないでいる。
ひょっとして...僕も、「そっち」の世界を垣間見ているのかも...。
「同じ時間にいる、と思ってた。」
薗子は、飾らずにそう言う。




