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スムーズにバスを降り
僕はまたイアー・フォンを付ける。
歩きながら音楽を聞くのも
あまり好きなスタイルではなかったが
こうして聞いてみるとそれもまた
楽しいかな、とも思った。
音楽は、ヨハン・セバスティアン・バッハの
「主よ、人の望みの喜びよ」に
変わっていた。
穏やかで優しいメロディに、癒されるようだった。
向こうの世界で、17歳の薗子は、こんな音楽を
聞いているのだろうか....?
どちらかと言うと、クラシックよりも
普通のポップス・ロックが似合うような
そんなイメージが感じられたから...
案外、そうかもしれないなと僕は微笑んだ。
元気そうに、ヘッドフォンをつけたまま
音楽に合わせてリズムを採る
そんな姿が目に浮かぶ。




